年とともに体重が落ちにくくなる理由

ダイエットすると皆さん気づくのは1~2週間すると必ず停滞期に直面します。
しばらく、頑張ってカロリー制限(糖質制限)しているとやはり2週間くらいから
減量していきます。そしてこれを繰り返しながらダイエットは成功へとつながるわけです!?

みんなが全員このように我慢できればいいですが、年齢とともに減量のペースが低迷したり
停滞期が長引いたりすることがあります。
これは年齢とともに基礎代謝が低下するからです。
年齢とともに内臓の働きが低下するためです。
男性では男性ホルモン、女性では女性ホルモンなどのホルモンが低下してきます。
とくに、基礎代謝とかかわる甲状腺ホルモンの分泌が低下してきます。

漢方ではこのようなホルモンをコントロールしている臓腑のことを「腎」とよびます。
「腎」とは、西洋医学の腎臓とは異なります。
成長発育・老化・生殖機能・骨・髪・聴力・脳機能・自己免疫など多くの器官や機能と
かかわっているのです。

漢方薬では老化を遅くして健康寿命をのばすことが3000年前から研究されてきました。
その一部に新陳代謝が関わっていると考えられます。

日本人の基礎代謝は、30歳の平均では男性は約1500kcal、女性約1150kcalですが
年齢とともに徐々に低下して70歳の男性は1290kcal,女性1000kcalとなります。

補腎の働きのある漢方薬を服用することで老化の予防や代謝低下の予防をお勧めします。

こんにちは 誠心堂薬局 恵比寿店の西野です。
今回は子宮内膜症についてお話します。
20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。子宮周囲の組織と癒着をおこしてさまざまな生理痛などの痛みをもたらしたりします。
また、不妊症の50%近くに存在するとされています。
子宮内膜症は現在でも enigmatic disease(原因不明の病気)とされています。しかし、子宮内膜移植説が有力といわれています。
子宮内膜症による嚢胞(のうほう)は、発症することで卵巣機能の低下をきたしたり、精子の運動障害、受精障害、胚の発育障害になります。
妊活をされる方には妊活中には治療する重要な疾患であると言えます。
特に、卵巣子宮内膜症(チョコレート嚢腫)がある方の場合は、卵巣機能に影響が出やすいので早めに対策が必要です。
嚢腫の大きさ(4cm以上)によっては手術で摘出するケースもありますが、手術よってさらに卵巣機能が低下することもあるので
妊活中の方はできるだけ手術をしないですむようにしたいです。

中医学では、内膜症の嚢胞を「お血」「痰湿」と考えています。
原因や体質に対して治療する方法と症状(生理痛や排卵障害、月経不順)を緩和する方法を組み合わせて治療します。
さらに、ツボ治療を組み合わせると一層効果的です。
ツボも組み合わせ方でその効果が変わります。

具体的な漢方薬では「活血薬」「化痰薬」「補腎薬」を組み合わせることが多いです。
生理痛が酷い場合には
① 芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん) 
② 折衝飲(せっしょういん)
など
チョコレート嚢腫などには
①桂枝茯苓丸加ヨクイニン
②大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
など
腺筋症などには

血府逐瘀血湯などもよく使います。

よく使うツボ
家庭でできるお灸のツボは せんねん灸さんのユーチューブを参考にしてみては
https://www.sennenq.co.jp/knowledge/tubo13.htmlリンク

① 三陰交 お灸 
② 子宮穴 お灸
③ 次髎(じりょう)

恵比寿店の西野です。

ツボ押しは家庭でもできる方法ですが、治療となると限界がありますね。
特に妊活のようにデリケートの問題は専門家のサポートを受けるようにしてください。

不妊治療の鍼灸院は全国に多数あります。
多くの先生が不妊治療に努力され年間で数千人の妊活のサポートがなされているのが現状です。
東洋医学の中で漢方薬と鍼灸は両輪と言われています。
できることなら、漢方薬と鍼灸を組み合わせて治療していくのが一番効果的です。
漢方薬のカラダを補う面と鍼灸の全身や局所の血流をコントロールできる面を組み合わせれば
年齢的に機能が低下した臓腑や器官(卵巣や精巣や子宮など)を活性化できる可能性が高まります。
また、漢方薬はできるだけ煎じて服用するようにして下さい。
その理由は2つあります
①煎じ薬を調合できる薬局の薬剤師の先生は、その構成している生薬にも知識が深い先生です。
婦人科で有名な「温経湯(うんけいとう)」には、12種類の生薬が配合されています。
麦門冬(バクモンドウ)・半夏(ハンゲ)・当帰( トウキ)・甘草(カンゾウ)・桂皮(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク)・川きゅう(センキュウ)
人参(ニンジン)・牡丹皮(ボタンピ)・呉茱萸(ゴシュユ)・生姜(ショウキョウ)・阿膠(アキョウ)
どれ一つとして欠けては作ることができないのが煎じ薬で。
②煎じ薬と粉の漢方薬で比較した場合、有効成分の含有量が1/2程度減少する処方もあります。
有効成分の含有量はやはり効果にも影響するわけですので、やはり妊活のように重要な目的の場合は
煎じ薬をお勧めします。

誠心堂薬局の西野です。
今回は妊活とツボについてお話します。

ツボの数はたくさんありますが世界保健機関(WHO)で認められている365個というのが一般的です。
我々鍼灸師はそれ以外に、奇穴(通常の14経絡に沿わないツボ)や阿是穴(触るとひびくツボ)などもよく使います。

実際、妊活で多く使う経絡(ツボのつながる線)は任脈(にんみゃく:体の前側中央を流れる経絡)や督脈(とくみゃく:体の背面を流れる経絡)をよく使います。
これは、これらの経絡がすべて会陰部から発生しているため、その源となる子宮・卵巣・精巣と密接な関係があります。
ですから、下腹部や腰や背中のツボは重要な治療点でもあります。
有名なツボに 「関元(かんげん)」(任脈)「命門(めいもん)」(督脈)などがありともに、お灸や針の上にお灸を載せる灸頭鍼(きゅうとうしん)をします。
また、意外ですが督脈関係が深いツボに、手の小指側になる小腸経の後渓(こうけい)というツボがあり、自宅でケアするにはお灸(接着式)をしてもいいと思います。

妊活と関係が深い臓腑に「腎」「肝」「脾」があり、この臓腑とつながっている足の太陽膀胱経・少陰腎経のほか肝経や胆経、脾経や胃経があります。

一般に知られているツボでは、腎経「太谿(たいけい)」(内くるぶし付近)、「三陰交(さんいんこう)」(肝・腎・脾経の交点、足首内側)、「足三里(あしさんり)」(胃経脛の上方)などがあります。

現代人はストレスフルな生活をしており、大なり小なり妊活にも影響を与えています。
自然なリズムで生活されている人に比べて、自身のホルモンバランスが乱れやすいです。
そんな方にお勧めなツボは。「百会(ひゃくえ)」(督脈で頭頂部)、「合谷(ごうこく)」(手陽明大腸経)、「太衝(たいしょう)」(足厥陰肝)です。
自分で指で圧迫するかお灸するのもよいと思います。

五臓とは、肝・心・脾・肺・腎ですね。
それぞれどんな働きをしているかご存じですか?
各臓の働きを簡単に説明すると

①肝(かん)とは、主に自律神経や血流のコントロール、ストレス調整などにかかわっています。
 現代人は交感神経が刺激される生活習慣ですから、特に消耗しやすいです。
 それは血流の乱れやストレスの順応力にも影響を与えています。
②心(しん)とは、主に脳や循環器とかかわる臓腑です。
 今はコンピューターを使わない日はありません。スマートフォンの普及で毎日細かな文字やブルーライトを浴びる生活は
 脳を疲れさせています。うつ病や精神疾患の増加とコンピューターの普及は無関係ではありません。
③脾(ひ)とは、主に消化器全般の機能とかかわっています。
 食物から栄養素を消化吸収するだけでなく、自身のからだに必要な栄養素(気・血・津液・精)へと変化させるのも脾の働きです。
 食べて太れない方、少食なのに太りやすい方などは大きくかかわっています。
④肺(はい)とは、主に呼吸器全般や免疫力・汗や尿などの水分代謝とかかわっています。
 風邪や鼻炎や喘息・アトピー背皮膚炎などは多くはこの機能とかかわっています。
⑤腎(じん)とは、主に泌尿器や生殖器・成長や発育・老化現象にかかわっています。
 現代が抱える不妊症や老化予防や健康寿命の問題はこの腎の働きをどう支えていくかが課題と考えられてます。

では、よい卵子を作るためにはどこがポイントなのでしょうか・

さきほどの説明からもわかうように「腎」は最も重要であることは間違いありません。
腎は女性は7歳ごとに、男性は8歳ごとでからだが変化するとされてます。
2000年以上前に書かれた「黄帝内経・素問(こうていだいけい・そもん」には、
女性は7歳で女の子らしくなり、14歳までに初潮がはじまり、21歳で大人の女性のからだが完成する。・・・。
35歳から老化現象が陽明経から始まり、49歳で腎が衰えて閉経する。
妊娠のおいてとても重要な臓腑です。
当然、卵巣の機能とも密接な関係があります。
腎に蓄えられた精(ホルモンの材料)が年齢とともに減少すれば、卵子や精子の質も悪くなります。
腎には陰陽という働きがあり、陰は卵子や精子の構造や数と、陽はその機能(運動率や分割スピード、ミトコンドリアなど)とかかわっていると思われます。

肝は情緒や自律神経や血流と深くかかわりがあります。卵巣や精巣や子宮は生殖器ですが組織の血流の良しあしでその働きは変化します。
肝は情動やライフスタイルや環境の変化に順応するために重要な臓腑です。
現代人はとくに交感神経を酷使して、からだの酸化が進む傾向があります。
外面は若々しくても卵巣や精巣の機能は低下している男女が増えています。

脾は栄養の吸収や運搬と関係する臓腑です。同じ栄養素を摂取しても吸収力には差があったり、その活用する力に差があります。
妊活においても同じことが得ます。
子宮内膜や卵胞や精子へのミネラルやビタミンやたんぱく質をしっかりとっているのに、貧血や内膜が薄かったり、精子の元気が出ない人はたくさんいます。
やはり、これらはその人の脾の力が関係することが多いです。
日本人は冷たい食べ物をよく摂取します。冬場でもアイスコーヒーやアイスクリーム、サラダやビールなど数えきれないほど内臓の機能を低下させる
食生活が繰り返されています。さらに、欧米化もすすみハンバーガーや肉などの高脂肪食も拍車をかけています。
近年、腸内フローラが話題になっていますね。善玉菌や悪玉菌、デブ菌、やせ菌・・などなど。
それがいまでは子宮内フローラにまで影響しているといわれるようになりました。
反復性着床不全などにもかかわるようでこの環境を支えているのは脾に関係することかもしれません。

心は、脳神経や循環器と関係する臓腑です。
現代人は睡眠時間が短く深夜に就寝する方が増えています。
ご存じのようにホルモンの命令は視床下部・下垂体といった頭(脳)から出されているわけです。
午後11時から徐々に増えて深夜3時ごろまで分泌が盛んであるといわれています。
ですから、卵胞や精子を育てるFSHや排卵や男性ホルモンを作るLHなどもこの時間の睡眠状況と関係するといわれてます。

肺に関しては、直接の関係は少ないですが、水分代謝や自律神経の調整にかかわる臓腑です。
下肢のむくみやリンパ液の流れとは深い関係があります。
下肢の静脈瘤や精索静脈瘤とも関係します。