良い卵子ができるまでには様々な要素がかかわっています。
おいしい果実ができるまでにも様々な条件が必要です。

リンゴの木で考えれば
元気な根や幹枝・葉・果実はそれぞれが別々ではなく、連携して空気や光・水や地中の栄養素が果実にまで運ばれて行きます。
ですから、元気な根・幹・枝葉があって初めて元気でおいしい果実ができるわけです。

ヒトのからだで考えてみると、いい卵はどうすればできるでしょうか?
木と同じように地中の栄養素や大自然の空気、そしてそれを伝達する消化器や循環器、さらにはコントロールする自律神経系など
がかかわることで果実に安定的に栄養(ホルモン)がいきわたり成熟していくわけです。

質の良い卵子や精子は単に卵巣や精巣だけを見るのではなく、それを支えている器官や内臓・血流・栄養などが重要といえます。

①中医学では内臓を五臓に分類しています。
 
皆さんもご存じの「肝」「心」「脾」「肺」「腎」が五臓です。それに付随する六腑は「胆」「小腸」「胃」「大腸」「腎」「三焦(さんしょう)」です。
臓と腑の違いをご存じですか?
臓とは肉月に蔵と書くように体内に必要な栄養素をため込む倉庫です。
腑とは中腔で中が空洞になっています。そこに臓に蓄えられなかった不要なものや余分なものが通過し排泄される仕組みになっています。
人は老化とともに臓にため込み力や量が減少してきます。そして女性は28歳、男性は32歳をピークに徐々に低下していきます。
いい卵子や精子を作る力はこの臓の機能が低下することと密接な関係があります。

②中医学では全身を循環し内臓に蓄えられる栄養素を「気」「血」「津液(しんえき)」といいます。

飲食によって補給された栄養素は経絡を伝わって臓腑や器官へと運搬されていきます。
食物に含まれる栄養素は基本物質ですが、内臓で活性化された栄養素となったのが「気」「血」「津液」の3つです。
慢性疲労や睡眠不足、老化によって徐々に不足していきます。
ですからいい卵子を作るためには漢方薬によって「気」「血」「津液」の変調を整えながら補うようにして下さい。

経絡(けいらく)とは臓腑や器官を結ぶ通路です。
食事から摂取した栄養素を消化吸収する場所が胃腸です。しかし、吸収力や運搬する能力には個人差があります。
それはこの経絡の流れの良し悪しが原因と考えます。
ストレスや生活習慣の乱れや老化現象によって経絡の連絡網に滞りや不足が生じるわけです。
それが体の中で詰りとなり障害をうみます。
また、自律神経の調整や内臓の動きのリズムを管理しているのも経絡です。
現代人はこの経絡の流れが乱れている方が多いため、ホルモンや栄養素が十分に卵巣や精巣に届かないケースが増えています。
その場合は三焦調整(上・中・下焦)を整える必要があります。(三焦調整針法)