誠心堂薬局の西野です。
今回は妊活とツボについてお話します。

ツボの数はたくさんありますが世界保健機関(WHO)で認められている365個というのが一般的です。
我々鍼灸師はそれ以外に、奇穴(通常の14経絡に沿わないツボ)や阿是穴(触るとひびくツボ)などもよく使います。

実際、妊活で多く使う経絡(ツボのつながる線)は任脈(にんみゃく:体の前側中央を流れる経絡)や督脈(とくみゃく:体の背面を流れる経絡)をよく使います。
これは、これらの経絡がすべて会陰部から発生しているため、その源となる子宮・卵巣・精巣と密接な関係があります。
ですから、下腹部や腰や背中のツボは重要な治療点でもあります。
有名なツボに 「関元(かんげん)」(任脈)「命門(めいもん)」(督脈)などがありともに、お灸や針の上にお灸を載せる灸頭鍼(きゅうとうしん)をします。
また、意外ですが督脈関係が深いツボに、手の小指側になる小腸経の後渓(こうけい)というツボがあり、自宅でケアするにはお灸(接着式)をしてもいいと思います。

妊活と関係が深い臓腑に「腎」「肝」「脾」があり、この臓腑とつながっている足の太陽膀胱経・少陰腎経のほか肝経や胆経、脾経や胃経があります。

一般に知られているツボでは、腎経「太谿(たいけい)」(内くるぶし付近)、「三陰交(さんいんこう)」(肝・腎・脾経の交点、足首内側)、「足三里(あしさんり)」(胃経脛の上方)などがあります。

現代人はストレスフルな生活をしており、大なり小なり妊活にも影響を与えています。
自然なリズムで生活されている人に比べて、自身のホルモンバランスが乱れやすいです。
そんな方にお勧めなツボは。「百会(ひゃくえ)」(督脈で頭頂部)、「合谷(ごうこく)」(手陽明大腸経)、「太衝(たいしょう)」(足厥陰肝)です。
自分で指で圧迫するかお灸するのもよいと思います。