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体を温める漢方の知恵

香り高いシソの葉は実は心と体を癒すキー食材だった


体を温めながら心も温かくなる

生薬・紫蘇葉は漢方では「気剤」に属し、精神的な疾患によく使われます。
処方としては香蘇散(こうそさん)、紫蘇飲(しそいん)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)など。
これらの処方は漢方でいう「肝気鬱結(かんきうっけつ)」の症状に用いますが、これは肝の気の流れが悪いために起こるうつ症状なのです。

肝はいつものびのびとした状態を好みますが、自分を責める気持ちが強くなったり、周囲からの押しつけが強くなったりすると、のびのびできなくなって肝に気が通りにくくなるのです。
いわゆるストレス過多による精神的な諸症状が対象です。
特に、理性が強くて自己を抑制するタイプ、周囲からのプレッシャーによって心が弱っているタイプがなりやすく、特に女性によく現れる症状に功を奏する処方です。
前述の処方には柴胡(さいこ)、香附子(こうぶし)、厚朴(こうぼく)、半夏(はんげ)などの生薬が配されていますが、これらの生薬を補佐するのが紫蘇葉なのです。

この生薬も他と同様、鮮度や品質の管理が大切で、シソ特有の芳香の強いものほど良品とされます。
品質の優れた気剤は、最近よく使われる現代医学の抗神経薬に匹敵する威力を持ちながら、体にはやさしい治療をすることができます。

シソにはこのような素晴らしい効果があり、また、他の食材の味覚を一層高めてくれる働きがあります。
普段からシソをたくさん食べることによって、体温を高めるばかりか、精神的な安定感も増すありがたい食用植物なのです。

ですから、生薬の紫蘇葉は薬膳、つまり漢方生薬を隠し味にした料理にもよく使われています。
私が好きなのは、ショウガ、ネギ、ミョウガに紫蘇葉を加え、醤油、砂糖、ごま油、酢を混ぜ合わせて作った薬味ソース。
これを素揚げのナスやピーマン、豆腐などに掛けると絶品の薬膳になります。

シソは種子から取れる良質の食用油も大変重宝されています。
老化防止の切り札、抗酸化作用の高いα-リノレン酸が多く含まれているからです。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)


漢方薬専門 東医堂 杉山薬局
〒355-0047 埼玉県東松山市高坂1088
相談電話 0493(35)0890 
定休日 日・月・木曜、祝日
当店への漢方相談はこちら >>

体を温める漢方の知恵

香り高いシソの葉は実は心と体を癒すキー食材だった


食中毒がたちどころに治る紫色の生薬

そうめんに、冷ややっこに、刺身のつまやてんぷらに、シソは格好の香味野菜として重宝されています。
日本では大葉とも呼ばれるシソ、原産地はヒマラヤ、ビルマ、中国といわれ、食用には青ジソと赤ジソが用いられています。
食材としては青ジソのほうが一般的で、赤ジソは梅干しと一緒に漬け込まれたりしますね。

このシソは漢方処方によく使われる用途の広い生薬の一つ。
生薬名は蘇葉(そよう)または紫蘇葉(しそよう)といい、チリメンジソの葉や枝先を薬用に用います。

漢の時代、都に住んでいた若者が食中毒を起こして死にかけていたところ、名医の誉れ高い華侘(かだ)がある薬草を煎じて紫色の薬を作ったそうです。
この薬を飲んだ若者はすぐに回復したため、紫色の「蘇(よみがえ)る」薬という意味でこの薬草を「紫蘇」、つまりシソと呼ぶようになったと伝えられています。

シソは精油成分「ぺリアルデヒド」を豊富に含んでいるため香りが強く、この精油成分に防腐や殺菌効果があるとされています。
生薬としてはシソ特有の香りが高いものが良品で、9月上旬、枝葉が茂って花が咲き始めたころに収穫し、風通しのよいところで陰干ししてから葉を取りはがします。

生薬の紫蘇葉は口に入れるとかすかにピリッとしますが、漢方的性質は「辛、温」。
つまり味は辛くて温める作用があります。
主に、カゼをひいたときの症状、発熱、悪寒、せき、くしゃみに効くのは、体を温める作用に富んでいるからです。
このほか、嘔吐や精神不安に対して効果がありますが、これは芳香がもたらす効果といえるでしょう。

華侘の時代に、シソは食中毒にも効果があることが分かっていたわけですが、現代では食中毒に対しては生姜と一緒に服用したほうがより効果的です。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)


漢方薬専門 東医堂 杉山薬局
〒355-0047 埼玉県東松山市高坂1088
相談電話 0493(35)0890 
定休日 日・月・木曜、祝日
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体を温める漢方の知恵

一年中、ショウガを使った料理を欠かさずに


乾燥したショウガのほうが効果が高い

生のショウガの辛み成分はジンゲロン、ジンジャーオールなどですが、乾燥の過程でジンジャーオールはショウガオールという成分に変わります。
どちらも解熱、鎮痛や咳を止める作用がありますが、ショウガオールのほうがジンジャーオールよりも強い作用があります。
漢方で生姜より乾姜のほうが強いといわれるゆえんかもしれません。

漢方に「性味(せいみ)」という言葉があります。
「気味」ともいいますが、生薬の基本的な性質である寒・熱・温・涼の四気と、辛・甘・酸・苦・鹹(かん)の五味を含めた概念ですが、性味が違えば作用が異なり、同味でも薬性(温性・涼性・熱性・寒性に分類されます)が違えば作用が異なります。
これは古来の臨床経験から生まれた考え方で、患者さんに正しい処方を行うためには欠くことができない漢方のキモの知識なのです。

で、乾姜の性味は大辛、大熱。
脾胃(ひい)を温め、生気を取り戻す作用があります。
腹が冷えて痛い、嘔吐、手足の冷え、鼻水、くしゃみなどの症状に用います。
胃に対しては刺激性があるため、処方する場合は甘草(かんぞう)や大棗(たいそう)(ナツメの実)を配合するのが一般的です。

一方、生姜の性味は辛、温。
乾姜と同じような症状に用いられますが、吐き気がある場合はこちらを用いたほうが効果的です。

体を温める目的でショウガを使うのは手軽で効果の高い方法だと思います。
最近ではショウガ料理の専門店もできて人気を博しているようです。

結構幅広い料理にショウガは合いますから、冷え解消の食生活のためには一年を通してメニューに加えるといいでしょう。

ただし、ショウガ料理をつまみにしながら冷たい飲み物(ビール・氷水など)をとってしまうと、結局体を冷やす元になりますから、ほどほどに!!

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)


漢方薬専門 東医堂 杉山薬局
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体を温める漢方の知恵

一年中、ショウガを使った料理を欠かさずに


体温を上げるのに一番便利な根菜

体を温める漢方生薬の解説を、という依頼で再び筆をとることになりました。
すごくいいテーマだと思います。
まもなく2人に1人はガンで亡くなる時代がやってくる、と言われていますが、体温が35℃台以下の人はガンになる率が非常に高いからです。

ガン細胞は正常細胞に比べ、より多くの熱を発しながら増えていくから冷えた環境が大好き、とか老廃物は発汗作用で体外に排出されるが、体が冷えて新陳代謝が衰えてしまった人は、老廃物を排出しにくくなってガンとなる、などと説明されています。
理由はともかく、冷え性の人にガンが多いのは事実。
逆にいえば、体温を高めることによってガンのリスクは減るということです。

体を温める漢方生薬は数多くあります。
なかでも、とりわけ温める効果が高く私たちの手近にあるのはショウガでしょう。

ショウガを用いる漢方生薬には生姜(しょうきょう)と乾姜(かんきょう)の2つがあります。
ヒネショウガの根茎をそのまま用いるのが生姜、ヒネしょうがのコルク皮を取り除いて乾燥したものを乾生姜(かんしょうきょう)といいます(中国ではこれが乾姜)が、日本では乾生姜を生姜として用います。

一方、ショウガのコルク皮を取り除き、蒸してから乾燥したものを日本では乾姜といっています。
このように日本と中国で定義が異なるため、生姜、乾生姜、乾姜の区別に混乱が多く、いろいろな弊害を招いているのが実情です。
ここでは日本の定義に沿って解説します。

乾姜は芳香があり、辛味が強く、質が固いものが良品で、中国産の乾姜は日本の乾姜に比べると辛味が強く、胃を温める効果がより優れています。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)

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老化防止は冬のすごし方に重要なカギがある


東洋医学の本当の目的は、現在の健康状態から将来どのような健康状態になるかを推測して、病気にならない養生法を指導することです。
これが東洋医学の真髄で、「未病(みびょう)を治(ち)す」と言います。
現代医学で言われるようになった予防医学を、個人単位で考えるのが東洋医学の目標なのです。
東洋医学では、人間の成長や老化に「腎(じん)」が関与していると考えています。
腎はいわゆる「五臓(肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)」の一つで、成長するのが一番遅く約二十年もかかり、そのうえ衰退するのが一番早い臓器と考えています。

腎の発育を促し老化にブレーキをかけるためには、一生を通じて足腰を鍛えることが一番大切です。
現代のクルマ社会とインスタント食品の氾濫は、生命力の乏しい人を増やします。

腎は人間の発育・生殖・老化に密接に関与しており、不妊症、若い男性の精子の減少や奇形、若白髪、介護を要する老人の増加など、社会問題になっている多くの現象は腎の働きが低下した結果なのです。
東洋医学ではこれらの状態を「腎精不足(じんせいふそく)」と考えています。

腎精とは生命力と考えていいでしょう。日常足腰を使わず、誤った食養を積み重ねた結果が腎精不足を招くのです。
この腎精を補う薬が補腎剤(ほじんざい)で、代表的な処方に「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」があります。
六味地黄丸はもともと、小児の発育不良のために考案されたもので、現在では小児のアトピーや喘息の基本処方としても使用されています。
腎精不足は「腎虚(じんきょ)」とも言われ、小児アトピー、小児喘息、不妊症、足腰の弱体化、腰痛、若禿げ、夜間頻尿、小便失禁、大便失禁、性欲低下などの諸症状がこれに当ります。

現在の日本が抱えている大問題、すなわち超高齢化と人口減少に対して、医学の面から対応できるのは東洋医学のほうが優れていると私は考えます。
2050年には日本の人口は8000万人を切ってしまうだろうと予想されています。
世界的にも優秀な日本民族が繁栄してゆくためには、高齢者の介護不要な社会を実現しなくてはなりません。
それには東洋医学の考え方をもっと取り入れなければならないと思います。

老化を少しでも防ぎたいのはみんなの願いです。
ベットの上で余生を過ごすのは、考えても嫌なことです。
そのためには腎の老化にブレーキをかけることが必要です。

(1) 適当な運動を続ける。年齢に合わせて足を使う。(散歩など、理想は一日一万歩)
(2) 胃腸を守るために腹八分を守る。(よく噛む、一口三十回)
(3) 気力を持ち続けるために、絶えず何かに挑戦する気持ちを持ち続ける。
(4) 感謝の気持ちで毎日を過ごす。

簡単なことですが、ボケずに元気で老後を楽しむために必要なことです。
腎精は正しい食生活によって補われますが、はじめにお知らせしたように、季節では冬、一日のうちでは夜中に効率よく補われます。
もっと積極的に老化を防ぐ方法としては中年(40~50歳)以降に補腎剤を栄養剤として毎日服用することがあります。

特に、現在健康な方は毎日就寝前に六味地黄丸を服用するといいでしょう。
また、夜間頻尿があり足の冷えを感じる方なら八味地黄丸を服用します。
いずれも筋力の低下、足腰の老化、記憶力の低下などを防ぎ、老後の健康維持に大いに役立ちます。

六味地黄丸や八味地黄丸をお求めになるときに注意していただきたいことがあります。
腎精を増やす地黄(じおう)と言う生薬はほとんどの場合「乾地黄(かんじおう)」が使用されています。
乾地黄を酒で蒸して乾燥する。
これを9回繰り返したものが「熟地黄(じゅくじおう)」で、このほうがはるかに腎精を増やす作用がありますので、どちらを使用しているかをチェックしてください。

惠木 弘・著 『冬こそ若返る! 四季の養生法』より

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