28歳のOLさん。小児時代からアトピーがありましたが、時々小児科や皮膚科で塗薬をもらって、何とかそれほどひどくならないでいました。しかし、20歳で就職してから極度に全身に炎症が広がってきました。ステロイド剤でその時、その時をしのいできましたが、一時的にしか感じなく、ほかの治療法を探していたところ、友人から薦められて来局されました。
顔面の紅潮やドライスキン状態に
その時の皮膚は顔面がほおを中心に紅潮して熱を持っている状態。腕は乾燥し、かゆみの強い小さい丘疹が多数ありました。普通なら、皮炎湯(ひえんとう)の煎じ薬が一番適応でしたが、本人の希望でエキス剤を提案しました。
(1)皮炎湯エキス剤
(2)2%モクタール軟こうを顔面に夜間のみ塗布
(3)タイツ軟こうは、顔面とほかの部分の乾燥した部分に塗布。
初めはエキス剤なので、あまり期待していませんでしたが、皮疹の状態と薬がぴったり合ったのか、数週間で皮疹の炎症は半減し、もう数週間で一見は分からないほど良くなりました。まだ、腕部分の乾燥性の丘疹は少し減退しただけだったので、漢方薬の変更をアドバイス。
(1)荊芥連ぎょう湯(けいがいれんぎょうとう)エキス剤
(2)タイツ軟こうは炎症が気になる時に塗布
(3)レスタミン・ヒルドイドソフトの混合軟こうは乾燥部分に。
ドライスキン状態だった肌ですが、この組み合わせを数カ月続けることで、薬の服用を忘れるようになりました。
成分の薄いエキス剤を使いましたが、今回のケースでは意外と早い段階で変化が見られました。本人が必死できちんとスキンケアをした努力もあったためでしょう。
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更新日: 2009/04/18 |
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