小児時代からアトピーがあり中学生になるころには一応治っていたが、大学入学後一人暮らしを始めて急速に皮膚の状態が悪化した。その年帰省した時に、母親に勧められて来局された。
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体格は小柄でやせ型、便秘気味だが尿や食欲に異常はない。
患部の状態は顔面を含む全身に湿潤性の皮疹があり、多数の掻破痕があって、浸出液も目立つ。また、やや環境が変わって、うつ状態になり生活が夜型にかたよっている。
「六味地黄丸」に「黄蓮解毒湯」と抗ストレス薬として「四逆散」を併用したものを内服、患部に「モクタール軟膏」を外用
そこで、朝早く起きて三食きちんと食べるよう指導した。そして、免疫機能を強くする六味地黄丸(ろくみじおうがん)に皮膚の炎症に対する黄蓮解毒湯(おうれんげどくとう)をさらに抗ストレス薬として四逆散(しぎゃくさん)を併用した。徐々に皮疹は良くなったが浸出液が多く、一部化膿しているところがあるので、前方の黄蓮解毒湯に変えて猪苓湯を続けて服用することとした。患部にはモクタール軟膏を塗り、和らいだ所から太乙膏(たいつこう)に変えて処置するようにした。数カ月で徐々に和らいでいった。ただ皮膚の乾燥が気になるのでターメリック入りのオイル(ごま油)を保湿液として常用しながら様子をみている。
ストレス型のアトピー性皮膚炎
寺町漢方薬局 (広島県広島市)
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更新日: 2011/04/26 |
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