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御影雅幸先生の漢方あれこれ
~太陽病機と少陽病機~ 漢方では「風邪」と書いて、「カゼ」とは読まず「フウジャ」と読みます。風邪というのは邪悪な風の意味で、これが体内に入ると今でいういわゆるカゼ症候群をひきおこします。風邪は体表から侵入しますので、初期には皮膚の機能が冒され、体温調節機能の発汗を止めてしまい、その結果発熱します。また、感覚機能も狂って、熱があるにもかかわらず、寒気を感じます。この時期を太陽病機と言います。この時が葛根湯で治療する時期です。葛根湯を服用すると、塞がった体表を開き、汗を出し、このとき病邪も一緒に追い出します。これで病気は治ってしまいます。 しかし、この時期が過ぎると病邪がより深く入り、肺や胃を冒すようになって、咳が出たり、食欲がなくなったりします。この時期を少陽病機と言います。この時に葛根湯を服用すると、同じように汗は出ますが、中に入ってしまった病邪は出ません。一方、汗がでると体が冷え、体力が奪われることになり、病気は却って治りにくくなります。即ち、葛根湯はカゼの初期には特効しますが、咳が出始めたり食欲がなくなるなどの症状が出始めたら、あるいはそれ以降に服用すれば却って害があると言うことです。ちなみに少陽病機には柴胡という生薬が入った柴胡剤と呼ばれる処方が適します。 なお、太陽病機でも汗がじわじわ出て、風にあたるとぞくぞくするような人は体力がない人で、葛根湯ではなく桂枝湯という処方が適します。よく“カゼに葛根湯”と言われますが、その使用はむずかしいのです。
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