漢方薬の副作用とは
最近、「漢方薬の副作用」という言葉をよく目や耳にしますが、漢方の治療理論から考えると正しくないようです。
漢方治療は証(病的体質)の診断がすべてであると言って過言ではありません。
すなわち、証が診断されれば服薬すべき処方が決まり、正しく処方されて服用すれば病気は必ず改善します。
このとき、証の診断を誤って間違った処方を服用すると、病気は改善されないかあるいはますます悪化したりします。
世間ではこのことを漢方薬の副作用と呼んでいるようです。
主作用と副作用

「副作用」という言葉は、「主作用」に対して用いられる言葉で、
- あるクスリに期待する薬効を「主作用」
- 期待しない(不必要な)薬効を「副作用」
と言います。
市販の鎮痛薬なら、頭痛や月経痛を軽減するのが主作用で、胃を害するのが副作用です。
しかし、間違った漢方薬を服用した場合には期待する薬効が得られずに悪い作用だけが生じます。
すなわち主作用がありません。
間違った漢方治療で生じるのは害作用でしかなく、漢方用語ではこれを「誤治」と呼びます。
すなわち誤診、誤投与です。
ただ、漢方でも副作用が全くない訳ではありません。
例えば附子という生薬が入った処方ではしばしば口唇がしびれたりします。
■附子(ブシ)
 |
これは誤治のみによるものではなく、薬物の加工調製方法にも問題がある場合があります。配合前に行われる生薬の加工調製も漢方を正しく運用するためには重要なポイントで、また別の機会にお話しします。