長い間、東洋医学をやっていると、忘れられない症例に出合う事もあります。

今から、何年も前になりますが、
縁があって、遠方の方の健康サポートをさせて頂いていました。
その方は難しい状態であったにもかかわらず、
病院の治療プラスこちらのサポートで、うまく乗り切り健康を手にされました。
その実績を信頼されて、
現代医学では決め手のない
「ただ死を待つだけ」の難病にかかっておられる方を紹介されました。

とある大病院に入院してはいるものの、病院では施しようもなく
呼吸の管理や栄養の管理といったことぐらいで積極的な治療はできないで居ました。
食事もままならないこの方、胃ろうをして栄養剤をという希望のない入院生活でした。

そこで、その前述の方が、思い切って
担当医師に「知っている漢方の先生に処方してもらいたい」と相談し、
その医師も、提案を受け入れ、
前代未聞の 薬局漢方が、
大病院の入院患者さんの胃ろうのチューブを通して投与されるという試みが始まったのです。
それは、大病院のプライドを大きく傷つけたに違いないのですが、
受け入れてくれた医師団の度量の大きさに感謝でした。

私も「何とか助けてあげたい」「私を信頼してくれた方に報いたい」その一心でした。
結果として、延命効果は認められたようにも思うのですが、残念な結果に終わってしまいました。

しかしながら、命がかかった時に、私を信頼してくれた事、大病院が全面協力してくれた事
この事に関しては、感謝しつつ、自分が必要とされている医療人なのだと感じ、
これからも精進しようと決意させてくれた忘れられない症例です。

これからも、希望される結果を手にされるまで、サポートしていきたいと思います。

   

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