こんにちは。
誠心堂薬局船橋店 関根です
今回は、社内で慢性腎臓病についての知識を深めようということで、症例報告の勉強会を行いました。
男性、22歳
主訴:腰痛、両下肢の浮腫みが繰り返し出る。
冬に風邪を引いた後から腰痛、両下肢の浮腫み、尿は少量、尿蛋白+++、24h尿蛋白定量12.9g
高脂血症,血漿タンパク質低い、血圧150/90mmHg
他の病院でネフローゼ症候群と診断されプレドニゾン(Prednisone合成副腎皮質ホルモン剤)60mg,
雷公藤のポリグリコシド(去風,解毒,除虫,抗炎及免疫抑制作用)20mg、静脈点滴、一日一回。
一ヶ月後尿検査陰性、浮腫み改善したが、それからは疲れたり風邪引いたりすると上の症状が繰り返す。
来院時症状:両下肢の浮腫み、腰痛+、食欲なくお腹が張る、尿は少量、小水に泡が多い、下痢、
舌:淡胖苔薄
脈:沈緩
尿検査:尿蛋白+++、尿潜血++、血圧120/85mmHg、
中医弁証:虚弱体質、腎気不足,腎陽不足,脾陽不足,脾失健運,
中医診断: 浮腫,腰痛
西医診断: 慢性肾炎
治法:健脾益気、温腎助陽
方剤:実脾飲加減
二診目 約4週間後
浮腫減った 24時間尿量1500cc 24時間尿蛋白 6.5g
食事量増えた
漢方は、
活血利水、補腎扶正固精で調整
三診目 約4週間後
両下肢浮腫 食事は問題なし 腰痛は時々
お腹の張りや下痢なし
漢方は、補腎固本で調整
四診目 約8週間後
体調安定 尿検査陰性 24時間尿蛋白量.0.18g
風邪もひかなくなる
この状態を維持するため、服用は継続(1年程度)
ご覧のように、経過を追っていくと漢方を服用して、主訴が改善しているのがわかります。
体にたまった水分を調整していくことも大切ですが、胃腸の調子も整えることで本来あるべき体の機能を取り戻すことが治療になることがわかりました。
今後の相談の参考にして、該当する症状のある方が1日でも早くよくなるように日々勉強中です!
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更新日: 2024/04/09 |