◆PMS(月経前症候群)
◆PMDD(月経前不快気症候群)

PMSとは、生理3~10日前から始まる心身の不調です。眠気や頭痛・腰痛や吐き気などが起こります。PMDDは、PMSの中でも一段と心に影響があるものを示します。
月経前の期間に、気分の落ち込み、イライラして怒りっぽい状態、不安、下腹部痛、むくみなど精神・身体の両面で、不快な症状があらわる症状は、従来はPMSと診断されていました。しかし、一部の方に精神症状が月経の前ごとにあらわれ、「一番近い人に当たってしまう」、「突然涙がでてきてコントロールできない」、「ほっといてほしいのに、ほっておかれると寂しくてイライラする」などの精神症状が月経前に現れ、日常生活に大きな支障を来たすような症状がみられます。

これらの精神症状が強い方は月経前不快気分障害:PMDD(premenstrual dysphoric disorder)と診断されています。しかし、我が国においては、あまり知られていないというのが現状です。PMDDの患者さんにはほとんど病気という自覚がありません。しかも、月経周期が28日、月経前の重い症状が出てくる期間を7日として計算すると1ヶ月のうち4分の1はPMDDの症状に苦しめられていることになります。20代の頃からはじまる人が多いようですが、閉経(50才)まで、PMDDの症状続く方もいます。月経のある女性の20人に一人がPMDDにかかっている比較的ポピュラーな病気であるにもかかわらず、周囲からはわがままや怠けと思われがちで、治療の対象になっていないのが現状です。


~≪PMS、PMDDの漢方療法》~
PMS、PMDDなどの婦人科の病態は、漢方治療が得意とする分野といえます。漢方の観点からは、唹血(オケツ)と考えられます。唹血(オケツ)とは血のめぐりが悪い状態です。PMS、PMDDの原因ははっきりとはわかっていませんが、ホルモンの影響が考えられます。排卵後に、プロゲステロンやエストロゲンという女性ホルモンが急激に増えた後に減ります。この変動のために自律神経のバランスが崩れ、PMS、PMDDがおこると考えられます。

 このような症状には、漢方では、[血の道症]に使う漢方薬をよく使います。
《血の道症とは、女性の生理に関係するすべての身体、精神的な不調をいいます。》
血の道症を改善するには、血の汚れをとり、血の流れ、気のめぐりを改善し、漢方的に女性ホルモンのバランスを整える漢方薬を使われます。

【代表的な漢方薬】
・気帯症---イライラして怒りやすく情緒が不安定であり、不安感やうつ傾向な方には、柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
・お血証---顔色がどす黒くつやがなく、口唇や舌が暗紫色であり皮膚が、カサカサする方には、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
・気帯症お血証---気帯症と、お血証の症状がともに認められる場合は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)や、抑肝散加陳皮半夏(ヨッカンサンカチンピハンゲ)

すこやか堂では、一人一人のお悩みの症状や体質が多彩なため時間を掛けてお話を伺いその方に一番良い漢方薬をお選びおつくり致しております。 
 

 ◆PMS、PMDDの食養生

・多めにとったほうがよい物---緑黄色野菜、豆類、海草類、ナッツ類、キノコ類、青背魚(イワシ、アジ、サバ、カツオ等)

・控えたほうがよい物---ケーキ、チョコレート、砂糖を多く含む物、スナック類、コーヒー、お酒


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