今回は中医学で考える五臓と皮膚トラブルについての肺についてです。五臓でいう肺は皮膚のバリア機能を高める働きがあります。
肺は呼吸器や皮膚を司り、外邪(体に悪影響を与える外界刺激)から体を守る働きがあります。衛気(えき)と呼ばれる体表の気が毛穴の開閉のコントロールや皮膚のバリア機能を直接支えています。胚の働きが悪くなると、防御機能が低下し、皮膚トラブルを始め、花粉症、喘息などのアレルギー疾患を引き起こす原因となります。
また、肺は大腸との深いつながりがあり、便秘になると毒素が血中を巡り皮膚トラブルを悪化させることが分かっています。日頃から腸内環境を整え、毎日の排便習慣をつけるようにしましょう。
皮膚のバリア機能を高めるのに玉屛風散(ぎょくへいふうさん)、邪気を取るのに消風散や荊芥連翹湯、便通を良くするのに大承気湯や大柴胡湯などの漢方薬や鍼灸治療でそれぞれ益気固表法、解表法、攻下法を用います。
