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健康トピックス

当店の最新情報をご案内します。

こんにちは。

今回、不育症について説明したいと思います。

不育症とは、
①流産(妊娠22週未満の分娩)を2回以上繰り返す
②死産(妊娠22週以降に死亡した胎児を出産)
③新生児の生後1週間以内での死亡
の理由により、子供を得られない状態をいいます。
流産を2回以上繰り返すと、反復流産と呼び、3回以上繰り返したものは習慣性流産といいます。


頻度はどれくらい?
全体で10~15%程度であり、40歳代では40%や50%という報告がされています。
近年流産が増えてきているのは、妊娠する女性が高齢化したためと考えられています。
不育症で悩んでいる人は、数万人いると考えられています。

不育症のリスクの要因は?
・血液凝固因子の異常(抗リン脂質抗体症候群)
子宮形態異常(子宮の奇形、子宮粘膜下筋腫)
甲状腺機能の高まりもしくは機能の低下
夫婦のいずれかに認められる染色体異常【均衡型転座(ある染色体がお互いに入れ替わり、遺伝子に過不足がない状態)】

妊娠初期に流産してしまう大きな要因は胎児の染色体異常と考えられています。
しかし、2回以上流産を経験した方は、上の4つの要因が考えられます。


不育症治療について
1)抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体症候群では、特に妊娠中は血栓症のリスクが高まるので低用量アスピリン/ヘパリン(5,000~10,000 単位/日)療法が推奨されています。

2)子宮形態異常
流産率が高いと言われている中隔子宮の処置が大切。以前は開腹術を使ったが、最近は、お腹を切らずに中隔を切除する方法(子宮鏡下中隔切除術)が一般的です。

3)内分泌異常
甲状腺の機能が高まっている場合や低下してしまっている場合に応じて、治療をする。妊娠中や妊娠後も治療を続けるなど十分なケアが必要です。
血糖コントロールの治療も妊娠中、妊娠後と続けることが必要。

4)夫婦染色体異常
反復・習慣性流産患者のうち2~6%に、夫婦のどちらか一方に均衡型転座を認めます。
染色体異常が発見された場合は、転座保因者に対する治療方法がないため、*遺伝カウンセリングを充分に行うことが必要です。

*遺伝カウンセリング:遺伝性疾患の患者さんやその親族、あるいは遺伝について不安や悩みを抱えている方々を対象に、遺伝に関する情報を提供し、また遺伝子診断を受けるべきか否か、どのような治療を選ぶかなどについての相談)

女性の出産年齢の高齢化により胎児の染色体異常による流産は増える傾向にあります。この問題への対処として*着床前診断の有用性が注目されています。
*着床前診断:染色体や遺伝子の検査をおこない、次の妊娠での流産の割合を減らし、全体的な流産の回数を減らすということを目的としておこなわれる。

着床前診断の適応と運用に関しては日本産科婦人科学会の見解や細則を遵守し、倫理審査を経た上で実施する必要があります。


不育症の原因を中医学的に考えてみると、
大切な受精卵や胎児を子宮で育て、守ってくれるのは、身体のエネルギーの源である『気』と十分な栄養を与える『血』の働きが大切です。
流産の基本的な病理の考え方は、気血不足と腎陽虚のタイプに多く見られますので、それらを考慮した漢方薬を検討します。