
今回は遺残卵胞について話します。
まず遺残卵胞は何かというと、
前の周期の卵胞が通常だと自然と消滅してくれる卵胞がそのまま残り、月経3日目~5日目の時期におよそ10mm以上の大きさを伴う卵胞のことです。
遺残卵胞があることで、 主席卵胞と勘違いしてしまい その周期の卵胞の発育が妨げられます。もし採卵できたとしても空砲や変性卵、未成熟卵の可能性が高くなるため、その周期は見送るというのが一般的です。
遺残卵胞があることでの症状は、
①経血量が少ない
②生理が来たけど、基礎体温がなかなか下がらない
③排卵が遅れる
などいつもと違う状況になることがあります。
遺残卵胞がそもそもなぜできるかというと、いまだはっきりとはわかっていないというのが現状のようです。
ただ、遺残卵胞ができるのは排卵誘発剤を使った周期に起こりやすいとされていますので、視床下部―下垂体―卵巣軸のホルモン分泌のバランスの乱れからくることが考えられます。
遺残卵胞の治療は
人工的に遺残卵胞を吸いだすか、ピルの服用で遺残卵胞を無くす場合もあります。
(ピルの機序:ピルに含まれるエストロゲンにより、視床下部からのFSHを抑制する為、卵胞の発育が抑えられ遺残卵胞は自然と身体に吸収されて無くなります。)
遺残卵胞があると、一般的には受精しない可能性が高いため、遺残卵胞が消えるまで体外受精を見送ることが多いです。
ただ遺残卵胞があっても、体外受精にチャレンジするかどうか、遺残卵胞が自然に消えるまで待つのか薬を使うのかなどは、医師やクリニックの方針によって異なるようです。
漢方薬では遺残卵胞を「痰湿・お血」ととらえ、化痰薬や活血剤などを使って卵巣の中をきれいにするようにします。
漢方薬では、温胆湯、桂枝茯苓丸、爽月宝、シベリア霊芝などが効果的です。
以上、
遺残卵胞についてでした。