今回は、体外受精の移植後において出血をした場合について話したいと思います。
体外受精の移植後は、様々な体調変化が起こりえます。
自然妊娠の時と同様に受精卵が着床した後にしばらくして妊娠初期症状が現れることがあります。
熱っぽさや倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛など、風邪に似たような症状がでることがあります。
また、人によっては眠気を感じたり、胸の張りを感じたり、だるさを感じる人もいます。
逆にまったく症状が出ない人もいます。
その中の一つには、女性器からの不正出血があります。
移植直後に出血がある場合は、移植の際の刺激で出血していることがほとんどです。
移植をして胚(受精卵)が着床するまでには2~5日程度かかります。また、出血が少量の時は、着床出血の可能性があります。
多くは数日で治まることが多いですが、長く続く場合や量が多い場合は病院の先生に確認したほうがいいです。
※着床出血・・・受精卵の周りを囲む細胞壁が厚くなり、それが着床するときに子宮内膜の粘膜や血管を傷つけ、剥がれ落ちた粘膜が少量の出血を伴いでてくる出血のこと
着床出血をすると、焦って心配になると思いますが、まずは出血の量や移植後どの位経過してから出血したのかを、出血はどのくらい続いているのかを
把握しておいてもらえればと思います。
ここでは、着床出血について話しましたが、妊娠判定後に出血がもし見られた場合は、着床出血ではありません。
化学流産の可能性もあり病院に連絡をし、医師に確認をしておくようにしてください。
漢方では、
出血がでたときに使用する生薬としては、田七人参や艾葉、阿膠、地楡などがあります。
方剤では、芎帰膠艾湯などがあります。
ただ、漢方薬を決める上で大事なことは、体質がどのような方なのかを明確にしないといけません。
そのために、問診や舌診、脈診などを考慮して
例えば脾不統血、血熱、瘀血のような体質を鑑別してそれに合う漢方を選定していきます。
以上です。
