吐き気は、大脳の下の延髄にある嘔吐中枢が何らかの原因で刺激されることによっておこります。原因は、さまざまにありますが主なものは次のようなことが考えられます。
①飲みすぎ、食べ過ぎによる吐き気→安静にしていれば治ります。
②体内に異物が入った場合、食中毒などです。
③内臓に異常がある場合、腸閉塞、胆嚢炎、急性肝炎、胃癌などです。
④嘔吐中枢が刺激された場合、くも膜下出血、脳腫瘍、脳出血のどの脳の病気熱中症、風邪、乗り物酔い等です。
⑤極度の不安や緊張が原因になる心因性の吐き気などがあります。
吐き気に頭痛やめまいなど、その他の症状を併発している場合は、緊急を要する病気が潜んでいる場合もあるので医師の診察を受けてください。
漢方では、一般的に吐き気の原因を気と水の異常と考えます。
《水毒》水の異常が原因となる場合は、水分代謝が悪いため胃に余計な水分がたまり、吐き気をおこしやすくなります。
《気帯、気逆》気の異常による吐き気は、気の巡りが悪くなり気が上衝することによって、冷えやのぼせ、胸のつかえ、ゲップなどとともに吐き気を起こします。心因性の吐き気も気の異常によるものです。
脳の病気などが考えられる場合は、漢方だけでの治療では対処が難しくなります。きちんと検査をうけてください。
■吐き気を改善する漢方
水毒タイプには、五苓散(ごれいさん)、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)の利水剤を使います。
心因性の吐き気には、半夏寫心湯(はんげしゃしんとう)や柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)などがよく使われます。
めまいを伴う吐き気には、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などがよく使われます。
■日常生活で注意する事
規則正しい生活を心掛け、食べ過ぎ、飲みすぎは、避け、胃腸に負担をかけないようにします。胃腸の働きが悪くなると体の水分代謝が悪くなり、胃に水が溜まり、吐き気、嘔吐、下痢、などの症状が出やすくなります。また体を冷やすと胃腸の働きが悪くなり吐き気を起こしやすくなります。普段から足腰を冷やさないように注意し、冷たい物の取りすぎに気を付けてください。
ストレスがたまりやすい人は、胃腸に負担が掛かりやすいので、気分転換をし、上手にリラックスすることがたいせつです。