77歳女性から耳鳴りの相談がありました。
耳鳴りで悩む人は多いですが
漢方薬で必ず治る というわけではありません。
どちらかというと治癒率はあまり高くない方なのです。
若い人の、急なストレスの後の突発性難聴と共に起こる耳鳴りは、
漢方薬の服用とともに、体調を整えて改善することが多いです。
それに対し、77歳となるといわゆる 「老化」 によるもので、
そう簡単に改善が望めないことが多いのです。
お客様にそう伝えると、
お医者様でも歳のせいだから治りません、
と言われているとのこと。
詳しくお話を聞くと
耳鳴りは、ジーという音がしていて、
一日の中では夜間に音が大きくなり、
よく動いたり疲れた時は悪化する。
耳の聞こえも悪く、時々目まいもある。
血圧が高い。
いつも水分を口にするよう心掛けている。
舌:厚い苔に覆われた部分と、無苔の部分があり、
先端は赤くなっており、
舌先がひりひりと痛いこともある。
便通が、便秘になったり下痢をしたり一定しない。
これらのことから、
①気力と腎の働きを高め
②自律神経を整えて便通が一定になるようにする
ことで、少しでも耳鳴りが軽くなり日常が快適になれば、と考え
漢方薬を 2週間分お出ししました。
すぐには効き目は出ないと思うが少し気長に行きましょう、
とお話ししました。
2週間後:本人は変わりはないといいますが、
血圧がやや下がり血流がよくなってきました。
舌の苔はかなり薄くなっています。
水分の取り方のお話をして、
同じ薬を処方しました。
4週間後:耳鳴りの音が少し小さくなってきましたが、きこえはわるい。
また少し血圧が下がっています。
腎虚に良い食養生、生活養生のお話をして
同じ薬を処方しました。
6週間後:前より耳鳴りが気にならなくなり、
舌の先端のひりひりも消え、舌尖の赤みも消えています。
その後季節やお体の状態に合わせた漢方薬を続けていただきました。
半年後、耳鳴りは改善し、お体の状態もよくなりました。
このままお元気でお過ごしいただけるように、
今は、お体を整える基礎薬を続けていただいています。
谷薬舗たにあつこの診療日誌より
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更新日: 2020/12/11 |