
今回は受精障害について話したいと思います

受精とは、膣内で射精された精子が卵子に向かって進んでいき、卵管膨大部で精子が卵子の中に侵入することを言います。
受精障害は、精子が十分にある状態ですが、受精が何らかの原因で起こらないことを言います。
では原因は何なのか?
3つの原因が考えられます。
一つは、卵子の問題。一つは精子の問題。もう一つは精子と卵子の両方の問題です。
卵子の問題について
①卵子の殻の部分である透明帯が固い、または厚い場合。
②精子が透明帯を通過したが、精子のもつ因子が卵子内で活性化がおこり受精するが、それが活性化しない。
③卵子そのものが未熟で卵子に受精能力がない
精子の問題について
④卵子の透明帯にくっつけられない場合
⑤卵子の透明帯を通過できない場合
⑥卵子の透明帯を通過できても、精子が卵子を活性化する因子を上手く放出できない、もしくは因子がない場合
これらの問題を解決する方法に、顕微受精や卵子を活性化する方法、異なる誘発方法に変更し、エコーで観察回数を増やして成熟卵の数を増やす方法があります。
顕微受精は、①と④と⑤
卵子を活性化する方法は②と⑥ 活性化とは、電気刺激やカルシウムイオノフォアという方法で誘起させることです。
③は、異なる誘発方法に変える。エコーで観察する回数を増やし、成熟卵の卵を増やし受精卵を獲得する。
精子の検査データが良かったとしても、卵子に付着しない障害が5%程度あるので、卵と精子を出会わせてみないと実際に原因がわからないこともあります。
以上
受精障害の話でした。