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健康トピックス

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こんにちは。

今回は、不妊症において使用される温経湯についてお話したいと思います。

温経湯とは、金匱要略という大変古い古典に掲載されています。

『問いて曰く,婦人,年50ばかり,下血を病み,数十日止まず,暮には即ち発熱,小腹裏急,腹満,手掌煩熱,唇口乾燥するは何ぞや。
師の曰く,此の病帯下に属す。何を以っての故ぞ,かって半産を経て瘀血小腹に在って去らず,何を以って之を知るや。其証唇口乾燥す。故に之を知る。
当に温経湯を以って之を主るべし。』と記載しています。

処方はこのような構成です。
呉茱萸、半夏、麦門冬各3.0g 川芎、芍薬、当帰、人参、桂枝、阿膠、牡丹皮、生姜、甘草各2.0g

使用目標は、
1.五十才ばかりの婦人で、子宮出血が数十日もやまず、日暮れになると熱が出て、下腹が引きつれ、腹が張り、掌がぽかぽかと熱っぽく唇が乾燥するもの。
2.冷え性の婦人で、下腹が冷たく、永い間妊娠しないもの、またこのような婦人で、子宮出血が多かったり、月経が多量に下ったり、また月経の不順があるもの。

臨床疾患としては、
更年期出血。指掌角皮症。上肢殊に手の甲、掌、指に限局する湿疹。月経困難症。不妊症にも用いられます。

不妊症の治験例を一つ挙げます。
 結婚後14年になるも、妊娠しないという34才の婦人。
栄養、血色ともに普通、ただ冷え性で、腰のあたりが殊に冷え、冷えると腰痛を訴える。
月経は正調にくるし、困難症はないが、量が少ない。手の指と甲に湿疹があり、時々憎悪すると、かゆくなる。患部は乾燥して、がさがさしている。
腹部は一体に緊張が強く、左右の下腹に圧痛がある。
はじめ当帰芍薬散料を与える。服薬一カ年に及ぶも、何の変化もない。そこで桂枝茯苓丸料とする。これをのむと、気持ちが悪いという。そこで温経湯に転方。これをのみはじめると、湿疹が先ずよくなった。月経の量が多くなった。服薬三カ年にして妊娠、めでたく無事分娩。


下半身が冷えるときに使用するのはなぜか?
それは衝脈や任脈を通る経脈を冷やすことに関係します。
ここは子宮の働きと関係するため、女性の生殖器の気血のめぐりが悪くなります。

では、気血のめぐりが悪くなるとどうなるか?
下半身に瘀血ができてしまい、月経痛をもたらします。
また月経不順も引き起こします。
それに血が不足するということは、皮膚を栄養することができなくなり、しもやけや湿疹をまねきます。
また、気の不足により血の漏出を防ぐ働きが弱くなり不正出血や月経過多を引き起こしてしまいます。

下半身の冷えは、体の陽気が上に集まり熱がこもるようになります。
そうなると潤いがなくなるので唇が乾いたり、不眠、頭痛やふらつき、手のほてりが起こります。

上記のようなメカニズムから温経湯の出す根拠を考えます。

以上です。
ご精読ありがとうございました。