こんにちは。
今回はPCOSについて簡潔にまとめてみました。
PCOSとは、両側卵巣の多嚢胞性腫大に何らかの月経異常、不妊を伴い、内分泌検査でLH高値を特徴とする内分泌疾患です。
きっかけは、
・無月経 ・希発月経 ・無排卵周期症 ・不妊
などを主訴に来院されます。
日本産科婦人科学会の診断基準は、
①月経異常(無月経、希発月経、無排卵周期症のいずれか)
②多嚢胞卵巣(超音波試験)
③血中男性ホルモン高値またはLH↑かつFSH→
をすべて満たす場合にPCOSと診断されます。
排卵誘発の際は、クロミフェンが無効の例が約半数あります。
クロミフェン、※ゴナドトロピン療法 を行うと、多数の卵胞が同時に発育し、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠を発生しやすいので注意が必要です。
※ゴナドトロピン療法は卵巣に直接働きかけて排卵を促すのが特徴の治療方法で、下垂体に異常がある排卵障害にも有効です。
漢方では、PCOSを
体質虚弱などで※腎 の機能が低下すると、卵胞の成長が悪く、排卵を促す力が弱くなり生理周期が乱れる原因になります。
卵巣の周りに血の滞りである『瘀血』や、ネバネバした老廃物である『痰湿』がこびりつき、卵巣の膜が硬くなるため排卵しにくくなります。
そのため、『腎』の機能を高めることを基本として、その方その方の体質に合わせた方針を取ります。
※『腎』:卵胞の質や排卵と深い関わりがある
以上です。
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更新日: 2021/12/26 |