前回と同様に、今回も肺移植がうまくいかない時の原因についてあげていきます
①卵子の異常
②子宮内膜機能不全
③子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症
④卵管因子(水腫)
⑤免疫異常、ホルモン異常
⑥精子の異常
のうち③について述べていきます。
③子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症
☆子宮筋腫は、子宮を構成する筋肉から出来る良性の腫瘍です。
症状は、過多月経、過長月経、月経困難症(生理痛)、不正出血などがあります。
種類は漿膜下筋腫、粘膜下筋腫、筋層内筋腫の3タイプがあります。
粘膜下筋腫や筋層内筋腫が子宮内腔に突出していると子宮の中がデコボコになるため、受精卵(胚)が着床しにくくなります。
子宮筋腫ができると、
・筋腫の圧迫により卵管の内腔が狭くなったりつまったりする
・蠕動運動の低下、筋腫の刺激により子宮が収縮しやすくなる
・子宮内膜の圧迫により血の流れが悪くなり胚の発育に影響する
などが原因で受精卵が着床しにくくなります。
☆子宮内膜症は、本来子宮にしかない子宮内膜が子宮以外の場所で発生・発育し、子宮以外のところで月経をおこしてしまう状態のことです。
症状は、月経痛の悪化や慢性的な腰痛、下腹部痛、排便時や性交時の痛みなどを引き起こします。
子宮内膜症があると、卵管の癒着や炎症などから卵巣に慢性的な炎症を引き起こし、正常な卵巣への悪影響があり、卵の質を落とします。
この炎症のために生じる腹水が免疫異常を起こし、受精や着床を阻害します。
☆子宮腺筋症は、子宮筋層に内膜症が入り込んだ状態で、子宮筋層が厚くなったり、子宮全体が大きくなったりします。それによって子宮が変形するため、不妊や流産の原因になることもあります。
症状は、月経過多、強い生理痛をひきおこします。
受精卵が子宮に着床するのを妨げます。
漢方では、様々な体質により対応していきますが、一例として以下のようなことを考えます。
・腹部の血流が滞ることにより、子宮筋腫や内膜症になります。
血瘀(血流が鬱滞しやすい体質)と捉えて、血行を促進する漢方薬で治療をしていきます。
・ストレスの影響などで気の流れが滞ると、子宮筋腫や内膜症の原因になります。
体の諸機能を調節する肝の機能がスムーズに働かない体質で
肝の機能をスムーズにする漢方薬で治療をしていきます。
・体内にたまった過剰な水分や湿気(=痰湿)により腫瘤(はれ、できもの、しこり、かたまり)になり、子宮筋腫や内膜症になります。
痰湿を取り除く漢方薬で治療をしていきます。