今回は、TORIO検査により異常がみられたときどう対応していくのか?について説明していいきたいと思います。
TORIO検査とは、ERA検査、EMMA検査、ALICE検査のことをいいます。
ERA検査は、胚移植に適切なタイミングを科学的に調べる検査です。胚盤胞は5日目に移植するのが定説でしたが、中には1日~2日ずれている人がいてそれを調べます。
もし、着床するタイミングがずれているようなら移植の1日2日前後して移植をすることで解決します。
EMMA検査は、子宮内膜の細菌の種類と割合を測定して子宮内膜の細菌叢のバランスが正常化を調べる検査のことです。
善玉菌のラクトバチルスが90%以上いれば正常で子宮内の環境が良好とされます。
少なければ、ラクトバチルスが入った錠剤を投与するなどして、子宮内環境を整えます。
ラクトバチルスを投与しても1回の治療での完治が100%とは言いがたく、25%程度の方が完治しないというデータもあるようです。
ALICE検査は、慢性子宮内膜炎の原因となる悪玉菌の有無を調べる検査です。
悪玉菌が存在すると着床率の低下に大きく影響をしてしまいます。
このケースは抗生剤を服用して治療します。
悪玉菌がもし残っている状態であれば、別の抗生剤を使った治療を行います。
これらをしっかりと行うことで、着床率があがり妊娠率があがることが期待されます(※下記のデータでは妊娠率が70.6%という報告もある)ので、完治を確かめてから移植を進めるほうが結果的に時間をロスしないことにつながるようです。
※ * Evidence that the endometrial microbiota has an effect on implantation success or failure. Moreno, Inmaculada et al. American Journal of Obstetrics & Gynecology, Volume 215, Issue 6, 684 – 703.
以上、3つの検査について参考にしていただければと思います。