誠心堂薬局船橋店 関根です
今回は、人工授精を行う意味について考えたいと思います。
人工授精とは、排卵の時期に管を使って精液を子宮内へ直接注入する方法です。
タイミング療法を一定の期間繰り返し実施しても妊娠しない次のステップアップとなる治療法と捉えられています。
一般的には、1回の成功率は5~10%程度で、多くは5~6回目までに妊娠すると言われています。
ただ、妊娠しない場合は、
・卵子のピックアップ障害(卵管が排卵された卵子を取り込めない)
・受精障害
・子宮内膜過形成・増殖症
の可能性が考えられるので、今後の治療法を検討したほうがよさそうです。
不妊の原因と考えられることで、人工授精の有効例をあげるとすると
・排卵日に頸管粘液の量が少ない、性状が不良のために精子の侵入が障害されている場合
・子宮内膜症により妊娠に重要な臓器が癒着をし、卵胞の発育が障害されたり、また卵の質が低下することがあるため、子宮卵管通過性が不良の場合
・抗精子抗体や抗精子凝集抗体が存在する場合
・勃起障害、射精障害、性交障害、精液所見の低下の場合
・フーナーテスト(性交後子宮内精子上昇テスト)が不良の場合
などです。
人工授精では、精子を遠心処理してから注入するため、濃度や運動率など精子の質を多少改善することができるため、男性不妊において乏精子症の場合に特に有効です。 また、ばい菌などが子宮内に侵入しないようバリアの役割を果たしている子宮頸管の通過を避け、直接子宮内に注入できることもメリットです。
人工授精によって精子を初めて調べてみることで、状態が悪く精査により精索静脈瘤が見つかるケースがあり手術をすれば精子の質が改善することにつながるケースもあります。
以上、
人工授精を行うメリットでした