誠心堂薬局船橋店 関根です。
今回は、皮膚疾患でも相談の多い一つの乾癬についてお話したいと思います。
乾癬とは、
後天性の炎症性角化症です。
原因:不明ですが、多因子性疾患(環境要因と遺伝的要因とが合わさって発症する疾患)と考えられています。
分類:尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性関節炎、滴状乾癬、乾癬性紅皮症があります。
頻度的には尋常性乾癬がほとんどで、通常の皮膚の表皮のターンオーバーは28日周期ですが、この場合は、
ターンオーバーが約7日と短く異常に亢進しています。
治療は対症療法になります。
軽症:副腎皮質ステロイド、活性型ビタミンD3の外用、ナローバンドUVB療法やPUVA療法
重症:エトレチナート(ビタミンA誘導体)やシクロスポリン(免疫抑制剤)の内服、生物学的製剤(抗TNFーα抗体)を併用。
では、中医学的に考えるとどうなるのでしょうか?
原因は
・「風・寒・湿・熱・毒」などの外因(環境等の要因)
・素体不足(体質)・七情内傷(ストレス等)・飲食不節(食事の不摂生)、
・肝腎不足の要因
が絡んでいると考えます。
皮膚症状から、
血熱(血中に熱がこもるもの)、
血瘀(血行不良で乾癬が悪化しやすい)、
血燥(皮膚が乾燥している)、
湿熱(身体に滞っている湿と熱によるもの)、
熱毒(紅みがあり、腫れや落屑がある状態)
などの体質が考えられます。
漢方薬は、病名だけでなく、乾癬の症状や状態(紅み、鱗屑、かゆみなど)、その人が持っている体質=「証」をみながら漢方を決めていきます。
漢方の例としては、
・温清飲
・当帰飲子
・桂枝茯苓丸
などを検討します。
以上です。
ご参考下さい。