誠心堂薬局船橋店 薬剤師関根です。
今回は、閉経間際の状態から妊娠することは可能なのかということについてお話ししたいと思います。
まず閉経の定義ですが、以下のように示しています。
女性のからだが更年期になり卵巣の活動性が次第に消えていき、月経が永久に停止した状態のことを閉経といいます。
閉経は、加齢により卵巣からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が停止することで起こります。
閉経前の数年間は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が減少し始めて月経と排卵の頻度が変動します。
その後月経と排卵が停止し、自然な妊娠が不可能になります。
月経が停止した時点では、閉経と即判断をするのは時期尚早のようです。
1年間以上の無月経を確認してはじめて最後の月経であったことが判断基準になります。
また、まれにホルモン値での判断基準になりますが、「FSH(卵胞刺激ホルモン)」値40mIU/ml以上でE2値が20pg/ml以下になります。
また、医師の判断によるところがあり、乳房痛の有無や内診で膣の粘膜が乾燥や萎縮して炎症を起こしていないかの確認も判断基準になります。
さらに、AMHと閉経の関連についてですが、今のところ分かっているところでは、閉経間際を予測するものさしとしては役に立ちそうだということが言われています。
AMHは抗ミュラー管ホルモンのことで卵巣予備能を表す指標ですが、
この値が0.10ng/ml減少するごとに早発閉経のリスクが増加する
(Elizabeth R Bertone-Johnsonら. Hum Reprod. 2018. DOI: 10.1093/humrep/dey077.)
という報告がされており、閉経まで妊娠が望めるかどうかについては、極めて難しいかもしれません。
上記の状態の方で妊娠を希望されている場合、漢方でも難しいことは変わりありません。
ただ、西洋医学とは違うアプローチができることはメリットです。
他の周辺症状(疲れやすさ、冷えなど)を考慮して漢方を選んで体質改善のためにしっかり服用していく。
血流はよくなり細胞へ絶えず安定的に血液を供給することができれば、眠っている発育細胞も活性化されることが予想されます。
その影響でAMHの数値があがるケースもございます。
そのため、漢方の服用が妊娠の可能性を広げる一助となればと思います。
以上です。