近頃長引く咳のご相談が多いです。
風邪の後、咳だけが残り、風邪薬や咳止めを飲んでも効かない、慢性的な咳が続いている、というものです。
今回のお客様は、38歳男性。気管支が弱く、毎年風邪をひくといつも長引く咳に移行するそうです。
結局病院で抗生物質を処方されるがそれでもなかなか治らない。今までは毎年咳が慢性化してしまってから当店へご相談いただき、やっと漢方薬で治ってきました。
今までの経験から、 今回は咳の出初めから漢方薬に頼って何とか咳を長引かせたくない、とのことでご相談いただきました。
今回の咳は、講演で大きい声を出しノドを使った後の咳です。
風邪をひいての咳は風寒の咳で、引き初めに少し寒気があったりしますが、今回は、ノドを使ったための咳で、寒さに当たったのではありません。風寒による咳には、麻黄湯、小青竜湯などを使いますが、今回は温病と考え、銀ぎょう解毒丸と甘草湯を使い、調子がよさそうです。
その後、咳の変化に応じて適切な漢方薬を処方し、わずか数日で咳が収まりました。
・咳は乾いているか、湿っているか?
・痰が出るか?
・痰の色は黄色いか、透明か、みどりっぽいか?
・痰は絡まるか、さらさらしてるか、切れにくいか?
・痰を出そうとして咳が出るか?
・のどがもそもそしたり気になるか?
・咳ばらいをよくするか?
・咳は気管支の奥から出るか?のどからか?
・疲れると悪化するか?
・あったまると悪化するか?冷えると悪化するか?
・食欲はあるか?
などを確認し、漢方薬を決めていきます。
いつもは一か月以上も長引く咳が、今回は漢方薬で数日で収まった、と、大変喜んでいただきました。
長引く咳には、マイコプラズマ肺炎、咳喘息、気管支炎からなどいろいろな原因があります。中には後鼻漏、アレルギー性鼻炎や、逆流誠意食道炎が原因のものもあります。
どのような原因であっても、症状や体質に合わせた適切な漢方薬をきちんと飲むことで、症状は軽くなり、早く治すことができます。
長引く咳でお困りの方、ぜひ一度ご相談してみてください。
谷薬舗 たにあつこの診療日誌より
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更新日: 2019/06/27 |