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和の香り

香りの文化の流れ

~新しい香り文化へと大きな発展~

日本の歴史書 「古事記」

2012年は編纂(へんさん)されてから1300年に当たるとして、日本の歴史書の「古事記」に注目が集まりました。
それ以前にも、各地の風土記が纏められていますが、歴史書としては古事記と日本書紀がその両翼を担っています。

日本古来の香りある植物としては、杉・檜・桂・樟が挙げられ、特に桂(カツラ)は、湯津楓(ユヅカエデ)、樟(クス)は楠、香壽樹、香(ク)すの木などの別称で輸出されていたと記されています。

ドラマティック 「竹取物語」

物語上で「香りある煙」の話が出て来るのは、「竹取物語」が最初ではないかと思います。
その終わりの部分で、

竹取物語 ~ 月に帰った輝夜姫(カグヤヒメ)が時の帝(ミカド)の残した不老不死の薬を、姫のいないこの世では使う気になれないとの帝の言葉で「不二の山(富士山)」の頂点で燃やした。
その馨しい煙が今でも立ち昇っている~

との記述があり、日本最古の煙と香りの話と思われます。

新しい香り文化への発展

その後、仏教が伝来したのは、6世紀で、天平文化の隆盛と共に「香り」に対する興味も深まりました。その頃の輸入品としては、仏事の為の沈香(ジンコウ)・白檀(ビャクダン)・薫陸香(クンロクコウ)・青木香(アオモッコウ)・安息香(アンソクコウ)・丁子香(チョウジコウ)・甘松香(カンショウコウ)・蘇合香(ソゴウコウ)や、施薬を目的とした麝香(ジャコウ)・桂心(ケイシン)・胡椒(コショウ)などの名前が載せられています。

火から出る目に見えない「香り」に対する「恐れ」から「敬い」「崇拝」へと流れる「宗教感」は、「呪術」「治療」へと発展、やがて香りを楽しむ気持が生まれ、「供香(キョウコウ)」「空香(クウコウ)」から「翫香(ガンコウ)」という新しい香り文化へと大きな発展を見ました。


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