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紀三井寺の桜


長い間更新が滞っており、誠に申し訳ありません。
つい先日、こんなニュースが取り上げられておりましたので
少しお話をしようかな?と思い、久しぶりの更新をさせて頂きました。

Yahooニュース 『トリカブトの根から神経障害性疼痛抑える成分発見 治療薬に期待(毎日新聞)』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190412-00000021-mai-sctchリンク

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トリカブトの根は、漢方薬ではもう2000年近く前から使われている生薬で
附子や烏頭とも呼ばれているものです。
普通に使えば毒なのですが
昔から、『毒をもって毒を制す』というのが薬の大原則でして
正しく使えば薬となり、悪く使えば毒となる・・・というのが
薬の一般常識でした。

そんなトリカブトの根。

漢方薬では八味地黄丸や牛車腎気丸等に附子として入っておりまして
確かに古くから、腰痛や神経痛などにも使ってきた歴史があります。
それだけでなく、冷え性や頻尿、排尿困難や浮腫み、全身倦怠感や風邪、眩暈や頭痛などなど・・・
様々な効果を持つ漢方薬に配合されており
附子というものは、漢方薬には欠かせない生薬の一つです。
ですから、神経障害性疼痛に対し、附子から有効成分が検出されたというニュースは
我々、漢方薬を古くから扱っている者にとっては
漢方薬の一端が、科学的に証明されることは、大変喜ばしいニュースであります。

ですが、それと同時に残念なニュースでもあります。

漢方医学は本来、漢方独自の理論や哲学に基づき
患者様一人ひとりに合ったものをお渡しすることが出来るという特徴を持つ
最も大切な医学です。
こうして、有効成分だけに注目し、それを抽出して
いずれは、附子の有効成分による鎮痛剤などが市場に出回るでしょう。
ですが、それでは・・・

『痛い』という症状のある人に、テキトーに鎮痛剤として出されるだけ。

となるでしょう。
漢方の独自の哲学と医学を、古典に基づいてしっかりと理解していれば
そのような事態を避けて、効くであろう患者さんに適切にお出しし
効かないであろう患者さんや、使うこと自体が危険なのではないかと思われる患者さんには
出さないようにすることが出来るのですが・・・

このニュースで、痛みに苦しんでいる人は、気軽に附子を買い求めたり
または、漢方薬の知識の乏しい医師や薬剤師が
気軽に附子の入った漢方薬を出すかも知れません。
ですが、それでは附子本来の効果を実感することは難しいと思います。

漢方薬本来の力が発揮出来ず、効かない人も出ることでしょう。
効かないだけならまだしも、副作用で苦しむ人も出るかもしれません。


餅は餅屋。
漢方薬で使われる生薬の事であれば
是非とも、漢方薬局や漢方専門医にお尋ね頂ければ・・・と願います。



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