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あなたのココロと体のために。「園芸療法」
~園芸療法は古くて新しい~
人と植物のかかわりは古く、紀元前にまでさかのぼることができます。
人は食糧生産のために植物を栽培し、神々に花を供えていました。
科学的に効果の検証が難しい園芸
古代エジプトやギリシャでは、医師が庭園散策を勧めていましたし、作業活動を使った療法の中で農耕を処方したりしていました。 しかし、さまざまな薬が発明され・手術などによる治療が行われるようになると、科学的に効果の検証が難しい園芸活動の処方が低迷していきました。
近代になり、再び、園芸を用いた作業活動が治療の手段として利用されるようになり、精神障害や発達障害の患者を対象にした農作業や園芸が処方、展開されるようになりました。
アメリカにおける園芸療法
アメリカにおける園芸療法は2度の世界大戦、特に、第二次世界大戦後、身も心も深く傷ついた傷痍軍人の社会復帰を目指した作業療法の1種目として行われるようになりました。
退役軍人病院で園芸は大きな効果をあげ、1950年代には大学で園芸療法の講義が始まり、1973年にはアメリカ園芸療法協会(AHTA)が設立され、園芸療法士の資格も生まれました。
イギリスにおける園芸療法
イギリスでは、1978年に英国園芸療法協会(現THRIVE)が設立されています。
ガーデニングの盛んなイギリスでは、療法的な考えというよりはむしろ、障害の有無にかかわらず、日常生活の一部として、誰もが園芸を楽しめるようにとの考えからスタートしました。
日本における園芸療法
日本では、1900年初頭、精神病院で園芸が取り入れられていたほか、1950年頃まで結核の療養所(サナトリウム)で農耕作業が行われていました。
日本で「園芸療法」という言葉が用いられるようになった歴史は浅く、1990年代以降、アメリカなどで園芸療法を学び、研修を重ねた方々が日本に「園芸療法」を紹介・実践し、そこからさまざまな研修団体が生まれました。
ダイアン・レルフ博士(バージニア工科・州立大学 園芸学部)を招き、日本で初めて外国人の専門家による園芸療法に関する講演会が開かれたのは1993年のことでした。
その後、2008年には日本園芸療法学会が人間・植物関係学会から独立する形で設立されました。
現在は高齢者施設、病院、特別支援学校、更生施設、授産施設などでも園芸療法が取り入れられています。
日本で『園芸療法』が取り入れられるようになってからの歴史はまだ浅いのですが、高齢化が進み、ストレスに満ちた現代社会においてそのニーズは着実に高まっています。
できるだけ多くの皆さんに園芸療法を知っていただき、園芸活動を治療やリハビリの手段として活用する場が増え、健康増進や介護予防にまで広げることができればと考えています。
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