あなたのココロと体のために。「園芸療法」

『ヒーリング・ガーデン』とは

皆さんは、ストレスを感じた時、疲れてしまったなぁと感じる時、どのような環境を求めますか？

もちろん、ストレス解消法としては、ショッピングや食べ歩き、スポーツ、趣味に没頭するなど、いろいろあると思いますが、ここでは、癒しを感じる環境について考えてみましょう。

やはり、田舎の緑豊かな自然風景や、都会の公園など植物のある環境を好ましいと感じる方は多いのではないでしょうか。

散在する木々、草花、芝生などに覆われた地面、噴水や小川のせせらぎなど水のある、空間的に開けた風景は、国や文化を超え、性別、年齢を超えて、人が心地よいと感じる風景であるとされています。
人の進化の過程で、野生動物などの危険から逃れ、食糧や水を手に入れることができる、生き残りに有利であったこのような環境に対するポジティブな反応を、現代人は、一部遺伝子的に受け継いでいるという考えがあり、それを裏付けるような研究報告もあります。

このような癒しに通じる特性を取り入れて、デザインされたガーデンにはいろいろなタイプがありますが、その中にヒーリング・ガーデン（Healing Garden）と呼ばれるものがあります。直訳すれば、『癒しの庭』ということになるのですが、その定義は、さまざまです。

ヘルスケア（医療分野）におけるエビデンスに基づくデザイン研究で有名なRoger S. Ulrich氏は、
「みどりの植物や花、水といった本物の自然を多く含み、その利用者の大多数に治療的、あるいは有益な影響を及ぼすガーデン」 と定義しています。

ヒーリング・ガーデン紹介

日本ではまだそれほど多くはありませんが、アメリカでは、病院や介護施設などで、特定のニーズに合うようにデザインされたガーデンが見られます。
ヒーリング・ガーデンは、病気や障害のある人だけでなく、利用者（家族・友人・スタッフ・訪問者など）にもプラスの効果をもたらします。

私がアメリカで、実際に訪れたガーデンの中からいくつかご紹介していきましょう。