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あなたのココロと体のために。「園芸療法」
~現代の状況と求められるもの~
皆さん、ご存知のように現代日本の社会は、少子高齢化や、ストレスフルな環境に起因する多くの問題を抱えています。日本の現状について見ていきましょう。
超高齢社会
総人口に占める高齢者の割合(=高齢化率)が7%以上で『高齢化社会』、14%以上で『高齢社会』、21%を超えると『超高齢社会』と呼ばれます。
厚生労働省「平成22年版高齢社会白書」によれば、平成 21年10月1日現在、日本の高齢化率は22.7%。高齢化率は年々増加傾向にあり、白書によれば2055年には国民の2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が訪れると推測されています。 もちろん、高齢になっても心身共にお元気な方は多いものの、認知症の有病率を見てみると、現時点では65歳以上の高齢者の8~10%であると推定されており、高齢化率の上昇とともにその数は上昇しています。
うつやひきこもり
うつやひきこもりの問題も見逃せません。厚生労働省が3年ごとに行っている「患者調査」によるとうつ病を含む気分障害の患者数は平成20年には104.1万人。12年間で2.4倍にもなっています。うつ病患者の医療機関への受診率は低いことを考えると実際にはもっと多くの患者がいると思われます。多くの人々に心のケアが求められる時代です。
子供たちの成長
子どもに関しても、発達段階に応じて適切な環境で植物に触れることは、情操教育の面からだけでなく、その後の成長にも影響を及ぼすことが知られています。 最近、『食育』と並んで『花育』という言葉を耳にする機会も増えてきました。
就労支援
園芸の持つ療法的要素に加え、園芸や農作業の技術の習得を目指して、障がい者の就労支援に役立てていく取り組みも行われています。
現代の状況と求められるもの
最近ではボランティアに対する意識が高まっており、好きな園芸やガーデニングを生かして、園芸福祉や園芸療法のボランティア活動をしたいという方々も増えています。
いろいろな講座や勉強会で積極的に学んだ方々が多く活動しておられますし、活動の場を求めるニーズも高まっています。
植物そのものの持つ癒しの要素、植物のある環境に身を置くことがもたらす安心・安全な気持ち、園芸作業に没頭することの快適さ、植物や園芸作業を介して生まれる人と人とのコミュニケーション、社会参加のきっかけづくりなど、いろいろなところで、いろいろな人々を対象とした園芸療法と、園芸療法のエッセンスを活かした活動が求められ・役に立てる時代だと言えます。
健康づくり・生きがいづくり・介護予防・認知症予防などの目的の場も含めると、公園や地域の公民館、市民花壇などでも園芸活動(園芸福祉)が行われています。
高齢の方でも、まだまだお元気な方には介護予防の面からも積極的に園芸を取り入れていくことは重要だと思います。
※現在、園芸療法は診療報酬の対象となっていないため、病院などでは作業療法の中のひとつの活動として行われていることがほとんどです。
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