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地図から学ぶ、生薬(きぐすり)のふるさと

種子島におけるガジュツの収穫

オリーブ 植物の話

オリーブはキンモクセイやジャスミンなどのモクセイ科でオリーブ属に属する常緑樹である。
木は樹勢が強く、成長が早いため、高さが10mを超える場合がある。
また、樹齢は極めて長く、地中海沿岸では1000年を超える老齢も珍しくないとのこと。

オリーブの品種は1000種以上?!

オリーブの品種は世界では1000種類以上あるが、小豆島の代表品種としては以下の4品種がある。
「ミッション」と「マンザロニ」
「ルッカ」と「ネバディロ・ブランコ」

オリーブの歴史

オリーブ栽培の起源は約6000年前に小アジア地方で始まり、地中海沿岸各地にオリーブを広めたのは通商・航海術に長けたフェニキア人である。紀元前16世紀頃、ギリシャ諸島に持ち込み、前14世紀頃ギリシャ半島に普及、さらにシチリア、南部イタリアを経てスペインへ渡った。1492年、新大陸アメリカが発見され、大西洋を越えてメキシコ、ペルー、カリフォルニア、さらにはオーストラリア、中国、日本などにも栽培・生産の波が広がった。

日本へは、明治37~38年のロシア戦争において北方海域に広大な漁場を獲得し、その膨大な量の水揚げが可能となったため、イワシなどの魚介類の保存や輸送の手段に油漬けする必要があった。その使用する油を国内自給できないものかと、当時の農商務省が明治41年、三重、鹿児島、香川(小豆島)の3県を指定して、オリーブの試験栽培が始まった。その結果、香川県小豆島に植栽したものが順調に成育し、2年後に結実。それ以来オリーブといえば小豆島といわれ、「オリーブ発祥の地」となった訳である。

オリーブ原木

その後、昭和39年に最盛期を迎えるが、輸入の自由化やオリーブアナアキゾウムシなどの被害等により、激減していった。ここ10年位前より健康食品としてオリーブオイルの効用が大きく取り上げられ、全国的なブームとなった。

現在は、栽培面積も最盛期の半分以上復元しており、併せて生産量も確実に増加傾向にある。

オリーブは人に役に立つ植物

オリーブオイルの健康効果としては、オレイン酸やビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質により、動脈硬化を予防する効果があるため、高血圧、心臓発作、脳卒中などにかかる危険性が低下する。また老化の防止には抗酸化物質が有効であるため、脳の老化を防ぐともいわれる。

オリーブオイルの特徴としては、オリーブの果実から採れる植物油である。採油過程においては、溶剤処理や加熱処理なども行っておらず、果実の持っている良さがそのまま油の中に含まれている。
オリーブオイル

オリーブ製品の代表的なものは、食用としては新漬け(塩蔵漬け)や食用オリーブオイル。
また、化粧用のオリーブオイルやハンドクリームなど、また葉っぱを利用したお茶、近年では平成20年度「かがわ県産品コンクール」において香川県知事賞受賞の果汁入りオリーブサイダーがある。
これからも小豆島ブランドを高めていくためには、製品開発はもとより、薬用的な新分野での研究開発が望まれるところである。
今後は醤油、佃煮、そうめんに次ぐ第4番目の産業としてオリーブ産業を確立することが、地域を活発にし、人々を元気づけることになる。


日本三大渓谷美「寒霞渓」

観光面においては、郷土が生んだ壷井栄の小説「二十四の瞳」の舞台となった岬の分教場や映画村のセットがある。

日本三大渓谷美の寒霞渓は1934年雲仙国立公園や霧島国立公園らとともに、日本初の国立公園として指定されている。

【文】小豆島町 オリーブ課 中塚昭仁

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