もう20年以上も前の話。
ご主人が飲ん兵衛でほとほと困った奥さんが相談に来られた。
なんとか、ご主人の酒をやめさせたいと必死の願い。
そこで、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を工夫したような処方をご用意した。
何日か経って、ご主人が怒鳴りこんできた。
酒がまずくて飲めなくなったというのだ
内心、良かったじゃないかと思いながら苦情を聞いていた。
本人にしてみれば、浴びるように飲酒するのは罪の意識があるというか
良くないのはわかっていたから服薬したもの、
たしなむ程度には飲みたかったらしい。
これほどに効きすぎるのは良くなかったようだ。
もちろん、処方したほうもここまで効くとは正直思ってなかったように思う。
何とも難しいケースだったが、似たような処方で、
ここまで、劇的に効いたのはこの人がNO1ですね。
酒がまずくなるとはどういう感覚なのか
今思うと、その時にもう少し詳しく尋ねておけば良かった。
この方、今も元気にされているのだろうか。
難しくも懐かしい思い出である。
ただ、現在でも二日酔いを解決するのに
黄連解毒湯と五苓散を併用したり、さらに柴胡剤を加えたりという事は
よくやる手です。
人によって少し工夫するだけで
二日酔いの予防にも治療にも結構いけます。

福田漢方   TEL 0746-32-4568

 

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