動物が出す多感物質は『フェロモン』と呼びます。
										これは、その目的から次の様に分類されて居ます。
										
											(1) 集合フェロモン
											(2) 道標(ミチシルべ)フェロモン
											(3) 警報フェロモン
											(4) 階級分化フェロモン
											(5) 性フェロモン
										 
										
										一番わかりやすい例としては「蜜蜂」や「蟻」で考えて見て下さい。
										動くことの出来ない植物は、子孫を残し、或は、自身を守る手段として、しばしば「匂い」を利用して居ます。
										植物毒=フィトンチッド
										
										目的の為に植物が出す匂い物質では、特に前記の「アロモン」が大切で、植物に限ってこれを『植物毒=フィトンチッド』と呼び、その場合の生育阻害作用を「アレオパシー」と呼びます。
										
										
										例えば、虫に葉を喰べられそうになった時、その虫の嫌いなタンニンなどの苦味物質を葉の表面に分泌しますが、同時に「虫にたかられた」と言う信号として「匂い」を放出します。
										すると、他の植物もその「匂い」をキャッチして、虫除けの苦味物質を分泌します。更に、最近の研究では、その匂いは、その虫の天敵である生物を呼び集める機能も果たして居るとの報告もありました。
										
										
										このフィトンチッドの対象は、動物だけではなく植物を相手にする場合もあります。
											
 香料植物として有名な「ミモザ」は、ある種の香りを放出して他の植物の成長や発芽を阻害して自身だけを大きく育てます。クルミ・ヒマワリ・ナナカマド等もその例に入ります。奈良・春日大杜の「ナギ(梛・竹柏)」の林には下草が生えて居ないのは有名です。
											
ワサビ・ヒバ・ドクダミ・ササ・ユズ・ニンニク・ニラ・ネギ等、日本古来の植物にも、この作用を示す植物が多くあります。