漆金薄絵盤
										
 2013年の正倉院展で、「漆金薄絵盤」が展示されていたのを、テレビニュースなどで、ご覧になった方も多いと思います。
										32枚の蓮の花弁に囲まれた中央の台座におかれた香印(コウイン)の模様が、花や鳥などを模した可能な限りの長い、しかも華麗な一筆書きの印だった事にお気付きの方もおいでの事でしょう。
											
 しかもこの蓮弁(レンベン)は、僅かな風の流れによって穏やかに動いて香りを更に広げる素晴らしい仕掛けもなされています。
											
										
										これは、あくまでも仏前に捧げる為の「薫香盤」であって、例えば「源氏香之図」の様な印形を一筆書きにしたヒトの為の「時香盤」とは異なります。これは、仏前には捧げるものですが同時に僧侶による読経や法話の時間を示す為のものとか、農村では水田に送る水の割り当て時間をチェックする為の簡略化された模様を使っています。 
										
										座禅香
										この他、葬儀の読経や座禅の時間を示す太目で長い「座禅香」も良く知られています。目的に応じて時間の目盛をつけた線香もあり、庶民の生活では落語の「たちきり」の中に出て来る線香は有名です。
										
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											古代火時計
										 
										変わった品では、初めて水時計で時刻を制定した天智天皇(第38代、664-691在位)を祀る大津市の近江神宮にある「香時計(古代火時計)」があります。
											
 これは、龍の背中に刻まれた溝に線香に点火し、その火によって溝に掛けた糸が順に燃え切れて繋いだ玉が落ち鐘を鳴らす、その音の違いによって暗闇でも時刻の判る仕掛けです。お香屋さんでレプリカも販売されていますので楽しんで下さい。