香の十徳
										香りの効果としては、心理的効果、生理的効果、薬理的効果、科学的効果、環境保全効果等が挙げられます。
										心理的効果には、積極性の向上(やる気)、安心感、リラクゼーション(くつろぎ)、対外的な気分の高揚(明るい)、対内的な気分の高揚(嬉しい)といった心理的有用性に繋がる点が多く、香道の教えに関連しては16世紀に、建部隆勝によって提唱された『香の十徳』がその始まりと言えるでしょう。
										香の十徳 とは、十項目にわたる香の効用 です。 
										感格鬼神: 感覚が鬼や神のように研ぎ澄まされる
											
清浄心身: 心身を清く浄化する
											
能除汚穢: 穢れを、とりのぞく
											
能覚睡眠: ねむけを覚ます
											
静中成友: 孤独感を拭う
											
塵裡偸閑: 忙しいときも和ませる
											
多而不厭: 多くあっても邪魔にならない
											
寡而為足: 少なくても、十分に香りを放つ
											
久蔵不朽: 長い間保存して腐らない
											
常用無障: 常用しても無害である
											
										
										これは紀元前3世紀に作られた「華厳経(けごんぎょう)」にある『塗香の十徳』を参考にしたと言われています。