異種の生物の間でお互いに作用する物質を「多感物質」と呼びます。

その作用の状態から、「多感物質」は次の3つの物質に分類されます。
(1)カイロモン
生物がせっかく出した「匂い物質」ですが、その匂いを受ける方が利益を得る場合があります。
普通は自己防衛の為に匂いを出すのですが、その行為が逆の形となってしまったもので、桑の出す匂いを蚕(カイコ)が好んで食べるのがその一例です。
『蓼(タデ)喰う虫も好々』
という言葉がある通りせっかく出した苦味成分が「友好成分」となって、餌になってしまうケースや、人間にとっても困る涙腺刺激物質が好きな「玉葱蝿」、栽培上でも有効な桑と葡萄の関係等、自然界には面白い例が多くあります。
(2)アロモン
「匂い物質」を出した方が利益を得る場合があります。
自己防衛の目的で出す匂い物質は、これが一般的です。
(3)シノモン

「匂い物質」を出した方も、受ける方も利益を得る場合もあります。
花と蜜蜂との関係を思い浮かべてください。
双方の目的をかなえています。手法が面白く多くの例が自然界に存在します。