火に「神」を見出す
物が燃える時、肌で熱を感じ、鼻で匂いを嗅ぎ、目で煙と炎のゆらぎを見、燃えている 木のはぜる音を聞き、美味に変った肉の味を感じる、と火は如何に不可思議なものと 思い、そこに「神」を見出したのも不自然では無いでしょう。
神聖な物・神への捧げ物
ここに中央アジアを中心とした「拝火教(ゾロアスター教)」が生れました。
又、
火は神聖なものとして、更に、
神に捧げる手段の一つとしても取り扱われ、その火の中にくべる事によって
良い香りを出す物がある事を知り、それを神聖な物・神への捧げ物としたことも肯けます。
ピラミッドの壁に描かれた「ラー神に捧げ物をするアリデ王」の図からも良く判るでしょう。
紀元前10世紀の頃、アラビア半島の東端、現在のオマーン・イエメン辺りに栄えた「シバ」の国の美しい女王「ビルキス」は、当時のイスラエルを統治して居たダビデ王の息子「ソロモン」のもとを訪れました。その折、持参した数々の宝物の中に、特産品である「乳香」「没薬」があったとされて居ます。この時、帰国したビルキスはソロモンの子供を宿して居り、シバの王宮で生れた子息がエチオピアの初代の王メネリケであるとされて居ます。


東方の三賢人
この香料2品と、「金」は大変な貴重品であり、キリスト生誕の時、東方の三賢人(マギー)が持参した品も、全く同じものだったと聖書に記載されて居ます。
この内「乳香」はその清楚な香りから神を表す聖なる香料、「没薬」はミイラの防腐剤としても使われる事から王の権威に結び付く香料とされて居ます。