糖尿病患者、隠れ糖尿病患者は ほぼ2000万人
糖尿病患者の血糖値上昇は、様々な大疾患の要因となり、それこそ笑ってはおれません。血糖とは、血液中のブドウ糖（グルコース）のことで、血液によって全身に運ばれ、体を構成する細胞のエネルギー源として重要な役割を果たしています。血液中の糖の濃度を“血糖値”と呼び、1dL（1デシリットル：100cc）の血液中に何mgのブドウ糖が含まれるかで表しています。血糖値が慢性的に上昇するもっとも代表的な病気が「糖尿病」であります。食事で摂取した炭水化物などが消化されてブドウ糖になると、小腸で吸収されて血液の中に入るため血糖値が上がります。すると、血糖値を下げる働きを持つ「インスリン」と呼ばれるホルモンが膵臓から分泌され、その働きでブドウ糖が細胞内に取り込まれて血糖値が下がります。血糖値が下がると、筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンを分解してブドウ糖を作り出し「グルカゴン」の分泌が
笑いが、糖尿病患者の食後上昇血糖値を下げる
《笑いと食事2時間後血糖値上昇の変化》
参加者:中高年の糖尿病患者19人。
500kcalの食事を摂った後、
1日目は糖尿病についての単調な講義を受け、
2日目には吉本興業の芸人(芸のう人ではない)による漫才を鑑賞して大笑いした。
いずれの日も食事から2時間後に採血をして、血糖値上昇を調査した。
① 単調な講義を聞いた日の食事2時間後の血糖値上昇は、平均で123mg/dLの上昇を示した。
(糖尿病予備軍を100mg/dL～125mg/dLとすると血糖値としては200以上と思われる)
② 漫才を鑑賞した日は77mg/dLの上昇を示した。
漫才で爆笑した日は講義を聞いた日に比べ、
食事2時間後の血糖値上昇が46mg/dLも抑えられていた。
この時の漫才家はB&Bと記されております。さぞ大笑いされたことが想像できますが、単調な講義しかできなかった医療関係者は同業者としては残念、如何なもんでしょうか。患者さんがかかり付け医に、B&B薬の処方を要望したとか（B&Bは、広島出身の洋七が、昔アルバイトしていた大阪宗右衛門町のディスコの店名を勝手に拝借したもの）。
健常なヒトの場合、空腹時血糖値はおおよそ80～100mg/dL程度であり、食後は若干高い値を示しますが140mg/dLを超えることはありません。ヒトの血糖値は、血糖値を下げる「インスリン」、血糖値をあげる「グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン」といったホルモンにより、非常に狭い範囲の正常値に保たれています。糖尿病は、絶対的にインスリンが欠乏する1型と、インスリンの作用不足や相対的不足の2型、妊娠型、その他に分類されます。
「糖尿病」「血糖値スパイク」「HbA1c」
最近、食後高血糖の異常である「血糖値スパイク」が問題視されます。「血糖値スパイク」は、食後の血糖値が急上昇、急降下する現象のことです。「糖尿病」は常時血糖値が高いのに対し、「血糖値スパイク」は食後のみという違いがあります。糖尿病予備軍と言われますが、増減により血管が傷つきダメージはより強くなります。
糖尿病の基準値を表すのに、HbA1c（赤血球の中にあるヘモグロビンにブドウ糖が結合したもの）値があります。この値は、10時間以上絶食した状態で計測され、食事や運動などの影響を受けない過去1～2ヵ月の血糖の平均値を表しております。ただしこの値では、血糖値の変化はわかりません。正常値は5.9%以下、予備軍は6.0～6.4%、糖尿病疑いは6.5%以上です。
神田 博史先生
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略歴
厚生省国立衛生試験所 生薬部
元 広島大学 薬学部 准教授・薬用植物園園長
元 安田女子大学 薬学部 教授・薬用植物園園長
元 広島国際大学 薬学部 教授・薬用植物園園長
元 広島国際大学 医療栄養学部 教授
内閣府地域活性化伝道師
