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ウグイスのフンが美顔洗顔剤になる フーン 効果のほどは私には不明 糞害

「ホーホケキョ(法法華経)」と鳴くウグイスの糞は、古くから人間の肌のシミ抜きや、色黒肌を白い肌にするのに使われた。歌舞伎役者や芸者さんは、お白粉の肌焼けを取るのに率先して使い始めた。その後も美しい肌を創る洗粉として公家·武家·商家の奥方が愛用し、江戸·明治·大正·昭和そして現代まで引き継がれてきた。また、僧侶はウグイスの糞を使って頭皮を磨いていたともある。 それ以前から、朝鮮、日本では衣類の色を抜いてもまったく生地を傷めないことから、和服の模様抜きやシミ抜きの必需品で、元禄の頃は真っ赤な長襦袢の模様抜きや、紋付の家紋抜きに欠かせないものであった。道修町の薬商人「鵙屋琴もずやきん」を主人公にした、谷崎潤一郎の小説「春琴抄」にも記されており、山口百恵と三浦友和で映画化されている。彼女の美貌は、未だ衰えていない。
ウグイスの糞には、豊富に酵素やグアニン、尿素が含まれ、古くから美顔洗顔料として人気がある「うぐいすの粉」として市販されているものがそれである。成分的に効果のほどはまんざらでもないようだ。現代では、ウグイスは大量飼育が難しく、得られる糞も少量であることから、市販の「ウグイスの糞」と称する商品は、ほとんどがソウシチョウ(相思鳥、Leiothrix lutea)を飼育し得られた糞を原料に使用している。創業300余年を誇る舞台用化粧品専門店「百助化粧品店」が浅草にある。イギリスにウグイス糞・エステを紹介したのは、長年ニキビに悩まされてきた、元サッカー選手デビット・ベッカムの嫁さんで、彼女は長年肌の改善のためにウグイスの糞を使用していたそうです。

現代版ウグイスのフンは、東南アジア産ソウシチョウに代わる。憤懣やるかたなし

ソウシチョウ(相思鳥)】は、スズメ目チメドリ科(ソウシチョウ科とする説もあり)の鳥で、インド北部、中国南部、ベトナム北部、ミャンマー北部に自然分布し、日本在来の鳥ではない。その後、日本、ハワイ等に移入され、日本国内では留鳥として生息する。一夫多妻制のウグイスと違って一夫一妻制で、ペアを替えることはないと言われる。つがいを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため「相思鳥」の名がある。天然自然林に巣をつくるため、日本の「侵略的外来種ワースト100選定種」にもなっている。
江戸時代から飼い鳥としてしばしば輸入されており、神戸在住の華僑が祝典の際に放鳥した個体が六甲山で確認されたが、これは定着できなかった。現在は、篭脱け鳥が関東以西に繁殖している。本種は飼育にあたって非常に多くの餌を食べ、大量のフンをする。この特徴を生かして、輸入した本種を飼養しその糞を採取して「ウグイスの糞」として売り出している。
分類学上ではウグイスとはさほど近縁ではなく、糞の同等性は不明である。糞採取目的の飼養は、生業を継続するのに必要ということで届出を出せば認められている。
ウグイス色の鳥は実はウグイスではなくメジロで、ウグイスの体色は茶褐色である。日本三鳴鳥の一羽で、山梨県および福岡県の県鳥となっている。

略歴
厚生省国立衛生試験所 生薬部
元 広島大学 薬学部 准教授・薬用植物園園長
元 安田女子大学 薬学部 教授・薬用植物園園長
元 広島国際大学 薬学部 教授・薬用植物園園長
元 広島国際大学 医療栄養学部 教授
内閣府地域活性化伝道師

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