漢方薬は、夏と冬では、風邪薬も少なからず変わります。
夏以外では、有名な葛根湯(かっこんとう)が初期にはよく効きます。葛根湯は発汗剤でもありますので、基本温めて飲んでください。エキス剤は白湯か、お湯に溶かして服用し、ドリンク剤は温めてから飲んだほうが、よく効きます。
さて、夏の風邪薬ですが、悪寒がないことが多いので、葛根湯はほとんど使いません。
香蘇散(こうそさん)・・・悪寒なく、微熱、倦怠感などの軽い夏風邪につかう
藿香正気散(かっこうしょうきさん)・・・下痢などの急性の胃腸炎症状を伴う風邪に、よく効きます。
銀翹解毒丸(ぎんぎょうげどくがん)・・悪寒なく、熱と咽喉痛の風邪に、非常に効果がありますが、時間の経ったものには効果がありません。
葛根湯だけでは、漢方薬は全部の風邪には対応しきれない、特に夏風邪には。

例)65歳の女性。
就寝前は暑かったので、窓を開けていたが、閉めるのを忘れて、朝気温が下が
り、発汗のうえに冷えて風邪をひいてしまった。
微熱(36.8℃)があり、咽喉が痛く、咳がでる。
朝、気が付いてすぐ、来局し手持ちの銀翹解毒丸に合わせて香蘇散(こう
そさん)の散薬を調剤して、飲んだところ、1時間で、咽喉の痛みは消えて
いました。
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