日本は四方を海に囲まれ、夏には太平洋高気圧の湿った南風による影響を受けやすいので、湿による影響が強く出る傾向にあります。しかし晩秋から冬にかけては、大陸のシベリア高気圧の影響で乾燥した季節風により燥による影響が出やすくなります。
燥は、清液(水)を損傷しやすいので咽乾口燥、皮膚の枯燥、口唇乾燥などを起こし、肺を侵し、肺陰を損傷しやすくなります。発熱、喉痛、乾咳、頭痛、悪風などを伴う風邪症状は、燥による影響と考えられます。なぜ、体にまで乾燥をきたすかというと、水や血のことを陰液といい、燥によりそれが不足することを陰虚といいます。陰虚が進むことにより体を冷やす力がなくなり熱を生じます。その熱を虚熱と言います。
したがって、陰虚とは血虚(血も陰液の一部)+熱のある状態と考えられます。風邪症状で空咳の出るときは麦門冬湯など、皮膚が乾燥気味で熱症状もある場合には温清飲ならびに温清飲ベースの処方など、全身的に陰虚状態の時には炙甘草湯などを用いることが多いです。
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更新日: 2013/12/13 |