これからの暑い季節。宴席やビアガーデンでついついビールを飲み過ぎて、翌日は二日酔いに悩まされる…こんな方も多いと思います。そもそも二日酔いは、酒類に含まれるアルコールの代謝途中で生ずるアセトアルデヒドという毒素が体内に蓄積することによって起こるとされています。適量の飲酒ならば、この毒素は酢酸へと代謝され、二日酔いになりませんが、過ぎた飲酒で代謝が間に合わず、毒素が蓄積してしまう。この点によれば、二日酔いとはある種の中毒症もいえます。
一方で東洋医学では、二日酔いは体内に余分な水分【水毒】と熱分が蓄積した状態と解釈されます。この場合の水毒とは、飲みすぎで消化管内に水分が停滞してうまく排せずに、水分分布が悪くなっている状態をさします。またそのような方は口渇感がつきまとい、無性に水を飲みたくなる。この【口渇】と【消化管内の水滞】を目標にして用いられるのが、五苓散。しばしば「漢方の利尿剤」と称されるように、尿の出を良くして、水毒を制する処方です。加えて二日酔いの場合には、熱を清めたり、肌に生じた黄疸を清める生薬を加えた処方が用いられます。また飲酒による熱感や火照りには、黄連や黄柏のような清熱の生薬を配した黄連解毒湯がよく用いられます。
二日酔いになる前にこれらのお薬を予防的に服用して、体内の解毒力を挙げておくことも有効です。お酒は百薬の長と言われますが、飲み過ぎは百害あって一利なし。適量を心掛け、うまく付き合っていきましょう。
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更新日: 2014/06/11 |