一口に睡眠障害といっても、入眠障害と熟眠障害ではその特徴が異なります。
「寝つきが悪い」と訴える場合もあり、「眠りが浅いと訴える」場合もあり、
合わせて「寝つきが悪くて、眠りが浅い」と訴える場合もあります。
そして、睡眠障害のタイプが違うのなら、服用すべき漢方薬も異なって然るべき。
・・・果たして、漢方薬はその通りではありません。
異なるタイプの睡眠障害に対しても、しばしば同一の漢方薬で治療に当たるのが
漢方の奥深いところ(同時に一般の方がよくわからないところ)です。

睡眠障害に用いる漢方薬は数多く存在しますが、
その特長は大きく2つに分けることができます。
①睡眠欲(眠気)を増進する漢方薬
こちらは、前回のトピックス
を参照下さい。
②睡眠欲(眠気)を開放する漢方薬
睡眠欲(眠気)に対する最大の障害は理性です。
何らかの理由で就寝時に理性が続くと、眠気を塞ぎ、寝つきを悪くして睡眠を妨害します。
また、起きている時に働く理性が強すぎると、その理性に増長され、
本心とは違うところで「夜でも起きていたい」という不自然な欲求に包まれ、
「体は休むも、心(頭)は休まらず」という乱れた状態に陥ります。
その状態が長く続けば、本来あるべき睡眠欲(眠気)も阻害され、脆弱になっていきます。
漢方では、自然に発生する眠気を促すのは、気の役割と考えます。
体を巡る気が正常に整うことで、自然な眠気が開放されていきます。
睡眠欲(眠気)を開放する漢方薬には、行気の漢方薬がこれに相当します。
それには例えば、柴胡疎肝湯や柴胡桂枝乾姜湯、
桂枝加竜骨牡蛎湯などに一服の価値があります。
ストレスや夜更かし、昼夜逆転の生活など、特定の原因を反映した
睡眠障害では、眠気が塞がって発生するケースが多くなります。
その逆に、年齢や生理に伴って出現した自然なもの、
あるいはうつ病など他の疾患を反映した睡眠障害では、
肝心の眠気が乏しくて発生するケースが多くなります。
個人的な見解ですが、現代人特有の不眠症は眠気を病むことに基づくと思います。
「眠気を病む」とは、発揮するべき「眠気の絶対量」が少なくなることを指します。
一時的に眠気が塞がることは、誰にでも起きる場合があり、それ自体は病気ではありません。
いわば、出したいんだけど、塞がっちゃって・・・という状態です。
対して、けれど眠気を病んでしまうと、
「塞いでいないのに、出が悪い」という困った状態が起こります。
漢方では、そうした状態を「正気の虚損」と見立てます。
「寝つきが悪い」と訴える場合もあり、「眠りが浅いと訴える」場合もあり、
合わせて「寝つきが悪くて、眠りが浅い」と訴える場合もあります。
そして、睡眠障害のタイプが違うのなら、服用すべき漢方薬も異なって然るべき。
・・・果たして、漢方薬はその通りではありません。
異なるタイプの睡眠障害に対しても、しばしば同一の漢方薬で治療に当たるのが
漢方の奥深いところ(同時に一般の方がよくわからないところ)です。

睡眠障害に用いる漢方薬は数多く存在しますが、
その特長は大きく2つに分けることができます。
①睡眠欲(眠気)を増進する漢方薬
こちらは、前回のトピックス

②睡眠欲(眠気)を開放する漢方薬
睡眠欲(眠気)に対する最大の障害は理性です。
何らかの理由で就寝時に理性が続くと、眠気を塞ぎ、寝つきを悪くして睡眠を妨害します。
また、起きている時に働く理性が強すぎると、その理性に増長され、
本心とは違うところで「夜でも起きていたい」という不自然な欲求に包まれ、
「体は休むも、心(頭)は休まらず」という乱れた状態に陥ります。
その状態が長く続けば、本来あるべき睡眠欲(眠気)も阻害され、脆弱になっていきます。
漢方では、自然に発生する眠気を促すのは、気の役割と考えます。
体を巡る気が正常に整うことで、自然な眠気が開放されていきます。
睡眠欲(眠気)を開放する漢方薬には、行気の漢方薬がこれに相当します。
それには例えば、柴胡疎肝湯や柴胡桂枝乾姜湯、
桂枝加竜骨牡蛎湯などに一服の価値があります。
ストレスや夜更かし、昼夜逆転の生活など、特定の原因を反映した
睡眠障害では、眠気が塞がって発生するケースが多くなります。
その逆に、年齢や生理に伴って出現した自然なもの、
あるいはうつ病など他の疾患を反映した睡眠障害では、
肝心の眠気が乏しくて発生するケースが多くなります。
個人的な見解ですが、現代人特有の不眠症は眠気を病むことに基づくと思います。
「眠気を病む」とは、発揮するべき「眠気の絶対量」が少なくなることを指します。
一時的に眠気が塞がることは、誰にでも起きる場合があり、それ自体は病気ではありません。
いわば、出したいんだけど、塞がっちゃって・・・という状態です。
対して、けれど眠気を病んでしまうと、
「塞いでいないのに、出が悪い」という困った状態が起こります。
漢方では、そうした状態を「正気の虚損」と見立てます。