
5年前から、糖尿病の初期で、経口糖尿病薬をもらってきた。
2年前に下肢の虫さされから、全身に皮膚炎がひろがり、皮膚科では痒疹といわれ、以下のようなお薬で加療するも、一時的なので、漢方薬による治療を希望され、来局される。
患部はほぼ全身だが、とくに下肢・上肢・胸に症状がある。一部は患部が硬く盛り上がって、瘤状になった部分もあるが、皮膚面が紅くなって、軟らかい湿疹状の部分も混在している。

薬は当然、内科で糖尿病の飲み薬のほかに、皮膚科では最高ランクのステロイド軟膏、抗アレルギー薬、ビタミン剤などなどがでている。

ステロイド剤は内服にしろ、外用にしろ、一気に止めるのは良くないのが常識だが、本人はステロイドのリバウンドがあっても、使いたくない意志なので、皮膚は漢方薬のみでの治療をすることにした。
湿疹と痒疹の混在なので、アレルギー体質改善目的の十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)に、毛穴の炎症に使う越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、さらに下肢のむくみに対して猪苓湯(ちょれいとう)も加えた。外用には当薬局の漢方薬入り軟膏を使う。
2週間後では、あまり変化なかったが、脱ステロイドによる皮疹のりバウンドによる悪化はなかった。
その後、じょじょに改善し、半年ほどかかって、痒疹のできていた箇所は瘢痕を残すのみになった。
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表面上は、漢方薬と本人の養生により、皮膚は改善したが、糖尿の状態を健康にしないと、再発する可能性は大である
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