
83歳の主婦のかた。
5年前に、両手中指の関節の腫れと痛みが始まり、近所の病院の整形外科にて、治療を始めた。
ステロイド剤などを使って、治療をしていたが、咳が煩雑にでるようになり、肺炎から肺癌の疑いにて、詳細な検査をしたが、癌ではなかった。5ヶ月前から、CRP(炎症の検査)・血糖値があがり、治療を始める。
咳は治まったが、指関節・手首関節の痛み・腫れが取れず、左の下肢にかなりのむくみが出てきた。重い荷物は全く持てない。
肺炎の症状は、リュウマチ治療の薬による副反応の可能性もあり、一時関節リュウマチの治療は中断している。そのためリュウマチの漢方薬を求めて、来局された。
体格は小柄で、冷え症で、血圧も低い。両手指特に左薬指・中指の第2関節・左手首関節の痛みと腫れがつらいという。また足甲から大腿部にかけて、パンパンに浮腫んでいる。舌は厚く、白い苔があり、歯痕もある。顔色はやや蒼白い。
このような状態に、筋や筋肉を強くする成分のある独活寄生湯(どっかつきせいとう)をはじめ、エキス剤で、のちに煎じ薬にて服用していただく.
1ヶ月後、痛みは少し楽になったが、強い倦怠感を訴える、また肺炎?の方も良い状態(咳)ではないといわれ、気血を補充する(体力をつける)生薬の入っている大防風湯(だいぼうふうとう)に変えて、やはり煎薬にて服用していただくことにした。
この漢方薬に変えてから、食欲もでて、便通も毎日あるようになり、まずは下肢の浮腫みがなくなって、3ヶ月後には指・手の痛みもほとんどなくなってきた。それとなぜか、あれほど頑固な咳も治まり、レントゲンでも肺はきれいになったと言われる。
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肺(咳)のほうは、かぎりなく薬の副反応のようである。
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