
3年前からの湿疹で、皮膚科では貨幣状湿疹の診断をうけ、ステロイドの外用薬を
中心に治療してきたが、一時改善のきざしがあったものの、その後は軟膏を塗れば
一時てきに皮膚はよくなるが、すぐ紅班・炎症を起すようになり、このままでは治ら
ないのでないかと不安になり、来局される。
両腕と腹部から脇にかけて、500円硬貨くらいの丸い湿疹があり、皮膚は苔癬化して
いる部分と、掻いて、傷になり、浸出液がでている部分が混在している。

このような複雑な皮膚状態には、消風散(しょうふうさん)を煎じ薬で試してみたが、2
週間の服用で全く皮膚に変化がないので、次回は
十味敗毒湯に越婢加朮湯を混合したものを、やはり煎じ薬にして飲んでもらう。
外用は、独自の漢方軟膏を保湿の目的に、タイツ軟膏を浸出液のでている部分
に塗り、ガーゼで固定させていただいた。
すると、始めの2週間はあまり変化がなかったが、1ヶ月治療をするうちに、湿疹の大
きさが小さくなってきた。炎症・紅班がなくなってきたので、
漢方薬を桂枝茯苓丸加ヨクイニンと十味敗毒湯に切り替え、軟膏をオウレン軟膏
に変えて、苔癬化した部分の正常化をはかった。
一気にはいかなかったが、それでも3ヶ月ほどで、ごく小さい紅班がある程度まで、改善
してきた。
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