屠蘇は、中国の華陀という名医が残した処方で、風邪の初期症状を改善し、ご馳走に満ち足りたお正月のおせち料理の食べすぎによる不快な症状(胃腸症状)を収めることにより、1年を過ごし長生き出来ますようにといった意味があります。語源は、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)るという説や、悪鬼を屠り魂を蘇生させるという説などがあります。
中身の生薬を見ていきますと、丁子・防風・縮砂・桂皮(あるいは肉桂)・白朮・山椒からなります。(そのほかに桔梗、細辛、乾姜などを配合する場合もあり)これらは、体を温める生薬と体の湿を取り除く生薬から成っており、暴飲暴食になりがちなお正月にはピッタリな中身となっています。丁子は、いわゆるクローブのことです。お腹を温める作用があります。防風は、若芽を刺身に添えられます。「風邪を防ぐ」の意味があり、解表薬に分類され体を温めます。縮砂は、湿を取り気を巡らしお腹を温めます。桂皮は、ニッキやシナモンの近縁植物です。お腹や体表面も温める効果があります。白朮は、京都では大晦日の八坂神社のオケラ参りで有名ですがこれは湿を除きます。山椒は、お腹を温める効果に優れています。
このように、屠蘇は体の湿を取り除き温める効果があることから、特別に熱症の方でもない限り普通に煎じて服用していただける内容となっております。
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更新日: 2013/12/06 |