養心安神とは「心を養い、精神を安ず」のこと。
漢方では心は神を主るといわれています。
よく神経が細い人を繊細な人、神経が図太い人を鈍感な人として例えます。
神経(=心)が細い方は、カラダも打たれ弱く、
季節や環境の変化に影響を受けやすいもの。
そのような方は、細い神経を太くする、即ち心を養っていくことが大切です。
漢方では精神に作用する薬方を総じて「安神薬」と呼びます。
この安神には大きく二種類があり、
神経の昂ぶりを鎮めるには重鎮安神薬が用いられ、
これには昂ぶりを鎮める点から、
鉱物由来の重い生薬、竜骨や牡砺などが用いられます。
また、昂ぶったものはクールダウンするのが効果的ですから、
これらの生薬には総じて冷やす作用もあります。
一方で、神経が細く憂鬱な気分を鎮めるには養心安神薬が用いられ、
これには気持ちを昂める点から、
植物由来の軽い生薬、人参や白朮などが用いられます。
また温風が上方に向かって吹くように、昂めるには温めるのが効果的ですから、
養心安神薬には総じて温める作用が備わっています。
