せきに伴う痰症状の裏にも消耗が隠れています。
痰はそもそも、気道に何らかの異物があって、
それを追い出す為に分泌されると考えられます。
痰とともに排除される異物には
チリやホコリのような微細物質だけでなく、
かぜに伴い生じる熱や、気道が抱えるむくみや冷え、
胸の痞え感のような神経症状など実に多彩です。
痰は本来、その原因となるものが治まれば、ともに鎮まっていくものです。
いやむしろ痰を通して、その原因となるものを診断していきますから
痰の出を止めるというのは、そもそもあまり良くない。
こういう面では、長続きする痰は
要するに異物がいつまでも喉に絡んでいる状態を現しています。
即ち、異物を排除する能力が消耗していることが深く関与している。
それは痰が出にくいのか、分泌量が少ないのか、排出する働きが弱いのか。
いろいろと考えられます。
また見方を一旦変えてみると、
痰は気道における分泌症状ですから、体液と深く結びついています。
痰のトラブルはこの体液のトラブルとも考える事ができ、
体液が消耗すれば、分泌は少なくなり、痰も粘調で切れにくくなる。
その逆に
体液が過剰にあれば、分泌は多くなり、痰も水っぽさを帯びる。
体液過剰の背景には、その運化消耗、
加えて止めどなく分泌が続くことによる粘膜の消耗などが考えられます。
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